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<再生の針路>山元/新市街地整備 着々と

住宅や小学校、子育て拠点などの整備が進む新山下駅周辺のつばめの杜地区。手前は町役場に通じる新設の橋
斎藤俊夫町長

◎震災5年 被災地の首長に聞く(15)斎藤俊夫町長

 −町の復興事業はどこまで進展したか。
 「コンパクトシティーの理念を生かした新しいまちの姿が見えてきた。内陸移設するJR常磐線の駅周辺に整備する新山下(550戸)、新坂元(112戸)の両新市街地は、一部を除き3月中に完成する。今秋には、まち開きを予定している。残る宮城病院周辺(82戸)も2016年度中に入居が完了する」。

<好アクセス復旧>
 −常磐線は12月末に再開する。新市街地を形成する上で、期待される効果は。
 「仙台から40分圏内という好アクセスが復旧する。新坂元では2月、駅前にコンビニが開店した。新山下には今夏、小学校や子育て拠点施設が開設され、秋にはスーパーなどができる。新市街地では防災や住民活動の拠点となる地域交流センターの建設に着手する。利便性が高まり、生活再建への安心感が増す」

 −町の人口は、15年国勢調査で震災前の10年調査比26.3%減で県内ワースト3位だった。人口流出に歯止めがかからない。
 「未曽有の災害を教訓にした町の復興創生の在り方を共有できなかったのかなと思う。新しいまちづくりへの住民の不安感が前面に出てしまったが、新市街地の完成で払拭(ふっしょく)できる段階に来た」
 「防災集団移転で埋まらなかった宅地の被災者以外への一般分譲を始めた。手厚い子育て支援策などが認知されれば、少しずつ若い世代の転入が増える可能性が広がる」

<施設の維持留意>
 −町の試算では、人口減や復興事業の進展で18年度に17億1800万円の財源不足が生じる。新市街地に整備する公共施設の維持管理に影響はないか。
 「試算はあくまでも机上の論理だが、まちづくりが進むほど施設の維持管理は大きな課題となる。事務事業の優先度を見極めながら、財政状況に合わせて予算計上のタイミングを調整する必要がある。統合できる事業はスリム化するなど、十分に留意する」

 −全職員の4割近い113人を全国からの派遣で賄っている。
 「町はまだ復興途上であり、新年度もほぼ同数の確保を見込んでいる。ハード面の基盤整備は進んだが、コミュニティー再生などはこれから。臨時災害FM局『りんごラジオ』の放送1年継続を決めたのも同じ理由だ。17年度まで同じ規模の人員構成を保ちたい」(聞き手は亘理支局・原口靖志)


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2016年03月09日水曜日


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