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<震災5年>販路開拓に専門的支援

谷村邦久(やむら・くにひさ)東京外大卒。78年みちのくコカ・コーラボトリングに入り、94年社長、14年会長。13年から岩手県商工会議所連合会長、盛岡商議所会頭。県国際リニアコライダー推進協議会長なども務める。68歳。盛岡市出身。

◎東北・経済人に聞く(2)岩手県商工会議所連合会長 谷村邦久氏

 −被災地の経済再生の現状をどう捉えるか。
 「土地のかさ上げなどの復興事業は進むが、地域で進み具合に差が見られる。被災企業のニーズも多様化している。関係機関と連携を強化し、被災企業のフォローアップなど息の長い支援をする必要がある」

 −復興で重視する点は。
 「ハード面は道路網だ。岩手県は内陸と沿岸を結ぶ東西軸の整備が必要だ。沿岸被災地を南北に貫く三陸沿岸道路もつなげなければならない。震災前から県民が渇望した事業。できるだけ早く完成するよう、国などに引き続き求める」
 「ソフト面は人材開発だ。震災前から人口が減っていた地域。働き口がないために、人材が他県に流出してしまう。若者がふるさとに戻りたいと思う魅力ある企業を増やさなくてはならない。優秀な人材が地方に来て、復興のために尽くすような形を目指す」

 −国の委託を受けて2011年10月に岩手県産業復興相談センターを設置し、被災企業の二重債務対策に取り組んできた。
 「二重債務回避のため、相談を受けたり、債権買い取りをしたりしてきた。相談は900件を超えた。買い取りは100件以上、総額は簿価で151億円に達している。被災企業にとって必要な事業であり、大きな成果が出ているのではないか」

 −沿岸の基幹産業である水産業の課題は何か。
 「失った販路の回復、開拓が大きな課題だ。取引先とのマッチング支援を強化したい。国のグループ化補助金などで設備が再建され、商品開発から販売までできるようになった。専門的にアドバイスできる体制が求められる」
 「人手不足にも直面している。地域で人材の取り合いをしても、厳しい環境は変えられない。外国人研修制度の期間や受け入れられる人数の拡充といった柔軟な対応が重要だ」

 −岩手、宮城両県の北上山地に超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の誘致を進めている。
 「研究者組織が国内候補地に選んで約2年半。2月に米国を訪れ、地元の熱意と受け入れ態勢の構築を進めていることを訴えた。地元企業が参画できれば、東北の復興を加速させるきっかけになる。今後も地道に活動を続け、地域全体の機運をさらに高めたい」(聞き手は報道部・布施谷吉一)


2016年03月09日水曜日

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