広域のニュース

<震災5年>首相、原発事故を風化させぬ

質問に答える安倍首相=8日、首相官邸

 安倍晋三首相は河北新報などのインタビューで、東日本大震災が発生してからの5年間で復興が着実に進んでいるとの認識を示し、今後も風化させることなく原発対応も含めて全力で取り組む姿勢を強調した。

◎作業員を増員し除染加速

 −集中復興期間が今月で終わり、「復興・創生期間」が4月から始まる。
 「高台移転は4分の3の地区で造成が完了し、福島では避難指示解除が進展している。今も仮設住宅で暮らし、厳しい状況の方がたくさんいる。こうした皆さんの古里への思いが力になり、復興は着実に進んでいる。2020年の東京五輪では見事に復興した姿を発信したい。これまで以上にコミュニティー再生や被災者の心身のケアに心を砕き、それぞれの地域の事情に対応した復興に取り組みたい」

 −震災後に加速した人口減少が、被災地にとって最大の課題となっている。
 「鍵になるのは地方創生だ。従来のように国が金太郎あめみたいなまちをつくるのではなく、地域が主役になり、地域の可能性を引き出す地方創生をする。東北の復興はただの復興ではない。より新しい東北をつくるという、東北の皆さんの意欲に応えたまちづくりをする」
 「東北では、新しい一歩を踏み出そうとしている人にたくさん会った。農業の6次産業化に取り組んだり、半年や1年待たないと手に入らないほどの人気の高級セーターを編んだり。これはおそらく、震災前には誰も考えていなかったと思う。本当に不幸な出来事だったが、震災を経て、そうしたものが生まれた。どれも地域の雇用を生み出す魅力的な取り組みだ」

 −復興の長期化が避けられない福島では、震災と原発事故の風化を懸念する声と、福島第2原発の廃炉を望む声が強い。
 「風化は政府としては絶対にない。福島の復興に取り組み、福島を訪れるよう広く国民に呼び掛けていく。イノベーション・コースト構想によって、未来のエネルギー社会が開花しつつあると実感している」
 「福島第2原発は県民の心情を察すると、他の原発と同列に取り扱うのは難しい。第1原発は法律に基づき、わたしが東電に必要な指示ができるが、第2原発はそのような位置付けにない。扱いについては、今後のエネルギー政策の状況や新規制基準への対応、地元の意見など踏まえて事業者が判断することと考える」

 −除染をどう進めるか。
 「17年3月に避難指示解除を実施できるよう、最大限の努力をしている。作業員の増員などによって最大限加速する。モニタリングで再度の汚染の有無を確認するなど個々の現場の状況から必要に応じてフォローアップする。住居周辺の森林内の探索道など人が日常的に入る場所の除染といった森林、林業再生のための総合的な取り組みについて、9日に取りまとめる」


2016年03月09日水曜日


先頭に戻る