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<震災5年>宮城/教育や福祉 ソフト面強化

「今までやれなかったソフト事業に力を入れる」と話す村井知事

 東日本大震災の発生から11日で5年になるのを前に、岩手、宮城、福島3県の知事は河北新報の取材に答え、5年間の総括やこれからの展望を語った。3知事はいずれも「復興は道半ば」との認識を示した。再生への歩みが滞らないよう、ハードとソフト両面で一層の努力が必要などと決意を述べた。

◎宮城県の村井嘉浩知事に聞く

 −震災から5年をどう総括する。
 「用地取得の難しさから住宅整備が遅れ、なりわいの再生もまだまだだ。JR仙石線の全線開通や仙台港の貨物量増加、仙台空港民営化の運営会社発足といった光の部分もあるが、被災者の生活再建で課題を引きずっている」

 −水産加工業などの販路開拓は厳しい状況か。
 「西日本でトップセールスを開始したが、国内は難しい。海外に活路を見いだすには売れるものをつくるマーケットインの発想が重要になる。消費者を魅了する高付加価値化の取り組みを県は支援する」

 −10年間の県震災復興計画は折り返し点。復興はどこまで進んだか。
 「最も遅れている災害公営住宅の完成率が本年度末で約6割のため『復興は6合目』としたい。ハード整備の見通しは立った。今後は教育、福祉などの分野で、かゆいところに手が届くようソフト事業が求められており、2016年度当初予算案に反映させた」
 「復興需要が終わり、建設業が急激に冷え込まないための方策に着手する必要がある。被災者のいまを見つめながら、5年後以降に関心を向ける時期だ」

 −政治家として、これからの被災地をどのような言葉で引っ張るか。
 「県政運営の基本に据えた『創造的復興』『富県宮城』、この二つに不可欠となる『民の力』の活用。間もなく国の復興予算に頼れなくなる。自治体間競争も求められる」

 −沿岸部の人口減少が止まらない。
 「観光振興などで交流人口を増やしたい。他地域から被災地に来て起業する若い世代のためにも、もうかる仕組みづくりを手伝いたい。仙台市の大都市としての力を生かすことも、人口減対策の鍵となる」

 −放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場建設問題は、出口が見えない。
 「全市町村長の意向を丁寧に聞く。最終的には国の方針に従わなければならないが、農家に一時保管してもらっている廃棄物の一刻も早い処理に向け、県も主体的に関わる」


2016年03月10日木曜日


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