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<やらせ捜査疑惑>注射器移動指示 捜査員認める

 宮城県警大河原署が覚せい剤取締法違反(所持)容疑で家宅捜索した際に捜索令状を破ったとして、公用文書毀棄(きき)罪で起訴された土木作業員の男(22)=同県大河原町=の公判が9日、仙台地裁であり、捜索時に指揮を執った大河原署の捜査員が証人として出廷した。捜査員は捜索直前、母親に指示して証拠物の注射器を移動させた事実を認めた。
 捜査員によると、昨年12月9日午前9時50分ごろ、男の父親が「息子の部屋から注射器を見つけた」と通報。母親が簡易検査を求めたが、捜査員は所有者の確認が必要として拒否。「証拠隠滅の恐れがある。息子の目が届かない場所へ」と指示し、一時、別の場所で保管させた。
 捜索直前、捜査員は注射器を元の場所に戻すよう電話で母親に指示した上で、男の帰宅直後に捜索を始めた。理由について「情報源の秘匿」を挙げたほか、男と注射器を関連付けたい狙いがあったことを認めた。
 注射器や男の尿からは覚せい剤など薬物反応は出ず、「覚せい剤所持の疑いはなくなった」とも述べた。
 弁護側は閉廷後、「母親の求めで任意で注射器を調べることができた。強制捜査は筋違いだ。署員は(覚せい剤所持)容疑が濃いと思い込み、不適切な捜査をした」と指摘した。
 起訴状によると、男は同日午後5時45分ごろ、男性警部補が示した令状を破ったとされる。弁護側は、母親への指示は「一種のやらせ捜査」と批判している。


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2016年03月10日木曜日


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