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<震災5年>鉄路とDCで観光推進

松木茂(まつき・しげる)一橋大卒。82年旧国鉄入り。JR東日本事業創造本部部長、広報部長などを経て14年4月から執行役員仙台支社長。58歳。仙台市出身。

◎東北・経済人に聞く(3)JR東日本仙台支社 松木茂氏

 −復旧、復興に向けた取り組みは。
 「被災したインフラの復旧を着実に進めていくことを心掛けてきた。地震でストップした東北新幹線は約50日で再開したが、仙石線などは津波の被害が甚大だった。安全面を考慮すれば、元の場所にレールを戻すわけにはいかない。地元の協力も頂き、石巻線を昨年3月、仙石線を昨年5月に再開できた」
 「被災地の応援につなげる目的で、大型観光宣伝『デスティネーションキャンペーン(DC)』を東北6県で順次開催してきた。観光の取り組みは復興の一助となると考えてきた。地域と共に歩む復興支援を今後も継続していきたい」

 −常磐線は復旧を終えていない。
 「東京電力福島第1原発に近く、放射線量や除染の問題もあり、簡単には進められなかった。ただ、地元住民の思いもあり、なるべく早い時期の復旧を目指してきた。(仙台支社の管轄を含む)相馬(福島県相馬市)−浜吉田(宮城県亘理町)の再開は、当初の2017年春から16年末に前倒しする。その他区間も運行再開を早める方針だ」
 「常磐線は放射線の問題を抱え、さらなる安全対策が求められる。運行時に車両が一時停車するなどアクシデントが起きた場合にどうするか。素早い乗り換え方法が必要となるなど、多くの問題を抱えており、きちんと対処していかなければならない」

 −被災地の公共交通としてバス高速輸送システム(BRT)をどう充実させていくか。
 「BRTは運行本数、時間帯などニーズにきめ細かく対応できる。被災地のまちづくりに合わせ、学校や病院近辺にルートを変更したり、観光ルートを整備したり、地元の要望に添って運行面で柔軟に対応できるはずだ」

 −復興への今後の携わり方は。
 「常磐線相馬−浜吉田間を、予定通り再開させることが第一だ。(運行区間内の)宮城県山元町などに避難している相馬地方の被災者の利便性も、通学や通勤面で高められる」
 「東北の観光推進に向けては、DCなどを通して支援していきたい。今月18日には仙台駅東口にエスパル仙台東館が開業し、新しい東西自由通路の使用が始まる。現駅舎開業以来、約40年ぶりに仙台駅の機能が大きく変わる。『東北の観光案内所』と位置付け、活性化につなげていきたい」(聞き手は報道部・山口達也)


2016年03月10日木曜日


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