福島のニュース

<震災5年>福島/避難区域の産業・雇用創出

「福島県の復興はいまだ途上にある」と語る内堀知事

 東日本大震災の発生から11日で5年になるのを前に、岩手、宮城、福島3県の知事は河北新報の取材に答え、5年間の総括やこれからの展望を語った。3知事はいずれも「復興は道半ば」との認識を示した。再生への歩みが滞らないよう、ハードとソフト両面で一層の努力が必要などと決意を述べた。

◎福島県の内堀雅雄知事に聞く

 −この5年間をどのように評価する。
 「復興はいまだ途上にある。常磐自動車道が全線開通し、ふたば未来学園高が開校するなど、確実に前に進んでいる面もある。しかし、東京電力福島第1原発の廃炉・汚染水対策、風評・風化という二つの逆風が続いており、課題は山積している」
 「福島県が抱える課題は刻々と変化し、複雑化している。中間貯蔵施設の搬入容認から1年余りがたったが、除染廃棄物が片付いたわけではない。昨年9月には楢葉町の避難指示が解除されたものの、5〜6%の住民しか古里に戻っていない」

 −集中復興期間から復興・創生期間へ移行する。
 「これからが正念場だ。ことしを『復興・創生元年』と位置付け、新たな気持ちで復興へのスタートを切る。避難区域の産業と雇用の創出を目指す第3次復興計画を確実に実行する」
 「地方創生も県政の重要な柱だ。2040年の県人口約160万を目指し、総合戦略に基づく施策を展開する。そのためにも長期的、安定的な財源の確保を進める」

 −復興に向け、今後はどのようなスタンスで臨んでいくか。
 「風評被害対策などは長いスパンがかかる。原子力災害という特殊事情の中、常に新しい課題が出てくるが、挑戦し続けるのが広域自治体である県の大切なスタンスだと考える。一人でも多く古里に帰還したいと思えるよう、インフラの復旧整備や医療福祉施設の再開など、避難区域の復興に最優先で取り組む」

 −昨年の新たな賠償指針策定後、損害を認めない東電に不満を持つ事業者がいる。一方で賠償の継続が自立を阻害するという指摘もある。
 「損害がある以上、賠償は当然継続すべきだ。国や東電には事業再建につながる賠償を求めていく。新年度には、市町村が地元事業者の商品やサービスの購入を促す取り組みに対し、補助制度を創設する。県内で頑張ろうとしている人の背中を押し、自立を促していく」


2016年03月10日木曜日


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