福島のニュース

<全町避難>富岡の歩みと爪痕見つめる

停電や津波で動きを止めたと思われる時計。複合災害の一端を伝える

 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県富岡町の歴史企画展と震災遺産展が9日、いわき市のいわき明星大で始まった。旧石器時代から東日本大震災が起きた現代までの文書や物品など計100点を展示。町民らは古里に思いをはせると同時に、震災の生々しい爪痕にあらためて衝撃を受けていた。14日まで。
 町の主催。近世から近代は、市街地形成の基礎となった富岡宿の成り立ちや、桜並木で有名な夜の森地区の開拓の足跡をたどる。棚倉藩が鉄山経営に努めたことを伝える文書などを並べ、夜の森と周辺地域の発展ぶりを紹介している。
 震災遺産展では、停電や津波で止まった時計や、配達されなかった新聞などを陳列した。被災箇所を3Dの立体映像で疑似体験できるコーナーもあり、津波を受けたJR富岡駅などを町民は神妙な面持ちで眺めた。
 富岡町からいわき市に避難する主婦木下清美さん(56)は「震災前と違って、町のルーツを感じ取るのが難しくなっている。かつての町並みや建物の様子をかいま見ることができて有意義だった」と話した。


2016年03月10日木曜日


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