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<高浜差し止め>東北「司法が行政の暴走止めた」

 関西電力高浜原発3、4号機の運転を差し止めた大津地裁決定は、福島第1原発事故被害の甚大さに鑑み、原子力規制委員会の審査に合格するだけでは不十分との認識を示した。事故被災地と新規制基準適合性審査を受ける2原発を抱える東北の関係者らは、地裁決定にさまざまな表情を見せた。
 福島県浪江町の無職末永清江さん(72)は「全国で福島の事故を振り返るきっかけになってほしい」と語る。原発事故後、避難先を転々とし、今も福島県桑折町の仮設住宅で暮らす。
 「ひとたび事故が起きれば終わりの見えない被害が続く。福島以外では忘れられている」。末永さんは避難生活すら解消されない中、全国で相次いだ原発の再稼働に不快感を示した。
 地裁決定は、原発事故の原因が特定されていない点も重視した。浪江町の馬場有町長は「原因究明と事故を教訓とした安全性が確保できていない状態での再稼働には疑問がある。司法手続きを注視していきたい」とコメントした。
 東北電力は女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)と東通原発1号機(青森県東通村)の再稼働に向け審査を受けている。
 「女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクション」の篠原弘典世話人(68)は「司法が行政の暴走を止めた。原発の危険性への共通認識が司法にも広がってきた」と語った。
 女川原発から30キロ圏の宮城県美里町。前町長で、原発再稼働の判断を立地自治体以外にも広げるべきだと主張してきた佐々木功悦県議は、今回の決定が原発から70キロ圏の住民の訴えを認めたことを重視し「司法が行政の不備を補った素晴らしい判断」と歓迎した。
 原発の早期再稼働を求める東通村の越善靖夫村長は「今後の推移を注意深く見守っていきたい」と言葉少なだった。
 東北電は「決定内容を詳細に把握しておらずコメントできない」としている。


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2016年03月10日木曜日


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