岩手のニュース

<震災5年>世界の善意詰まった輝くピッチ

天然芝に整備された上長部グラウンド。奥に見えるのは建設中の三陸自動車道=2月27日
がれきに覆われた震災直後の上長部地区=2011年4月ごろ(NPO法人遠野まごころネット提供)

 東日本大震災の津波被害を受けた岩手県陸前高田市の上長部(かみおさべ)地区に、日本サッカー協会などの支援で整備された芝生のピッチ「上長部グラウンド(気仙小仮設グラウンド)」が、地域に活気を生んでいる。震災で途切れた少年サッカー大会が再開され、7月3日はJ1の川崎−仙台の親善試合も開催される。
 2月27、28日、陸前高田商工会青年部が主催する少年サッカー大会「ライジングカップ」が開かれた。震災前は名勝・高田松原の野外活動センターが会場。上長部グラウンドが整ったのに伴い、一昨年復活した。
 岩手、青森両県から16チームが参加。2面のピッチを使い、熱戦を繰り広げた。地元の高田FC主将の佐々木哲平君(矢作小5年)は「いろんなチームと戦えるので、練習の成果が発揮でき、課題も見つかる」と目を輝かせた。
 震災前、グラウンドの場所には民家十数軒と田畑があった。津波で流失し、がれき撤去後、仮設住宅が校庭に建った長部小(現在は気仙小と統合)の仮設グラウンドになった。
 土がぬかるんで使いづらいことを聞きつけた当時の日本サッカー協会復興支援特任コーチ、加藤久氏(59)=宮城県利府町出身=が芝生化を提案。さらに元女子日本代表の澤穂希さん(37)=仙台市在住=らが呼び掛け、国内外のサッカー界からさまざまな善意が寄せられた。
 2012年に芝生が植えられると、13年に整備用のトラクター、14年に防球ネット、15年にクラブハウスの寄贈があった。高田FCの白江威晴(たけはる)監督(43)は「多くの支援でここまでになった。高田のサッカーの聖地です」と感謝する。
 管理は地元のまちおこし団体「上長部の郷」が担当する。菅野恵二郎代表理事(72)は「普段は閑散とした集落に人が集まるようになり、皆喜んでいる。7月の川崎−仙台戦に向け、選手がけがしないよう、しっかり整備したい」と張り切っている。




 


2016年03月11日金曜日


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