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<震災5年>首相視察28回…「影」避ける?

新商店街ができた宮城県女川町を視察に訪れ、住民らに手を振る安倍首相(中央)=2月21日、女川町のJR女川駅前

 安倍晋三首相は2012年12月の第2次安倍内閣発足以降、東日本大震災の復興状況の視察と被災者との対話を続けている。岩手、宮城、福島3県の訪問は計28回に上る。ただ復興が一定程度進んだ訪問先も多く、東北選出の野党の国会議員からは「厳しい現実を直視してほしい」との指摘も出ている。
 「政権復帰の3日後に福島を訪問した」。首相は5日、12回目の視察となった福島県でこう強調した。
 東京電力福島第1原発事故による住民避難が各地で続く福島県。岩手、宮城より復興が遅れているだけに配慮する姿勢を示し、「福島の復興、東北の復興は最重要課題だ」と決まり文句を口にした。
 5日まで約3年3カ月間の視察回数は岩手8回、宮城10回、福島12回。月1回程度のペースで3県をほぼ順繰りに訪れ、一度に2県回るケースもあった。
 復興庁によると、視察場所は政府がアピールしたい事業の関係先や新機軸の発表機会に合わせることが多い。見て回る対象は完成間近の災害公営住宅や事業を再開した被災企業、新校舎が再建された学校など復興の「光」の部分が目立つ。
 2月は宮城県女川町にオープンしたテナント型商店街を訪問。昨年12月には遠野市であった東北横断自動車道釜石秋田線の一部区間の開通式に出たほか、一関市で事業再開を果たしたしょうゆ醸造会社を訪れた。
 更地のままの津波浸水域など復旧すらままならない「影」も被災地にはある。7日の参院予算委員会で、民主党の増子輝彦氏(福島選挙区)は「首相はいい所ばかり行く。大変な所にも足を運んでほしい」と注文した。


2016年03月11日金曜日

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