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<震災5年>たくさん幸せになりましょう

宮城県女川町の追悼式で遺族を代表して言葉を述べる神田さん=11日午後2時35分ごろ、町総合体育館

 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島各県で11日、自治体主催の追悼式が開かれ、参列者が犠牲者の冥福を祈った。各知事も出席し、「誇りある復興を前に進める」「生活再建の取り組みを加速させる」と誓いを立てた。
 岩手県は大船渡市民文化会館で、市と合同の追悼式を行った。達増拓也知事は「被災地では、一歩一歩着実に復興が進んでいる。震災の経験と教訓を後世に伝え、県民が心を一つにして復興を成し遂げることを誓う」と述べた。
 約1100人が参列。遺族を代表し、東京に住む瀬尾真治さん(61)が言葉を述べた。北里大海洋生命科学部2年だった娘の佳苗さん=当時(20)=が行方不明となっている。
 「毎月、三陸沿岸に通っている。見ず知らずの私たちを三陸の皆さんは温かく迎えてくれた。震災の経験を語り継ぐことが与えられた使命だ」と語った。
 827人が犠牲になった宮城県女川町の追悼式は町総合体育館であり、遺族ら約1100人が参列した。津波で祖父を亡くした東北芸工大2年の神田瑞季さん(20)=山形市=は遺族を代表し、「天国の人たちも私たちの幸せを強く望んでいると思う。たくさんたくさん、幸せになりましょう」と呼び掛けた。
 式に出席した村井嘉浩知事は「犠牲者に心の底から哀悼の意を表する。県民の一日も早い生活再建のため、住宅、雇用、教育などの取り組みを一段と加速させる」と語った。
 福島県の追悼式は福島市の県文化センターで開かれ、約350人が参列した。内堀雅雄知事は「復興はいまだ途上にある。誇りある『ふるさと福島』の創造に向け、復興を前に進めていくことを誓う」と述べた。
 遺族代表で登壇した南相馬市鹿島区の菅野長八さん(64)は母と妻、次男、長女の家族4人と親族8人を津波で失った。「相馬野馬追が供養になると思い、震災後も毎年参加している」と声を詰まらせ、「震災を風化させないよう、私たちの経験を絶えず世界に伝えることが大切」と訴えた。


2016年03月12日土曜日


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