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登録有形文化財 一條旅舘など東北から19件

高畠石を外壁に使った旧高畠鉄道高畠駅(山形県高畠町教委提供)
創建当時の姿を今に伝える一條旅舘木造本館

 文化審議会は11日、1974年に廃線になった旧高畠鉄道高畠駅の駅舎(山形県高畠町)や、宮城県白石市鎌先温泉の一條旅舘など、東北の8カ所19件を含む28都府県199件の建造物を登録有形文化財にするよう答申した。近く告示され、登録数は1万691件になる。
 ほかに登録されるのは中央アルプスの木曽駒ケ岳に15年に設置された西駒山荘石室(長野県伊那市)など。西駒山荘石室は、多くの子どもが遭難した事故を受け標高2685メートル地点に設けられた山小屋で、近代登山の歴史を伝える。
 日本のプレハブ建築の先駆けとして63年に建てられ、別荘として現存する「セキスイハウスA型」住宅(長野県軽井沢町)や、大正時代の土木技術を伝える旧桂ケ谷貯水池堰堤(山口市)なども登録される。
 登録有形文化財に登録される東北の他の建造物は次の通り。
 上和野馬頭観世音本堂・旧堂(岩手県雫石町)▽萬代舘(同県一戸町)▽當信寺本堂・山門(白石市)▽松本屋店舗蔵・文庫蔵・家財蔵(喜多方市)▽大谷家住宅東蔵・中蔵・門(南相馬市)▽旧小坂村産業組合石蔵(福島県国見町)

◎旧高畠駅舎など(山形・高畠)/外壁に特産高畠石
 旧高畠鉄道の中核駅として、1934年に建設された。外壁に特産の凝灰岩、高畠石を使った2階建てで、黄土色の柔らかな色合いとアーチ形の窓が特徴。一部に鉄筋コンクリートが使われ、地方での初期の施工事例とされる。
 裏手のプラットホーム、外壁に高畠石を使った倉庫、自動車修繕庫、変電所とともに登録された。
 旧高畠鉄道は22年、生糸や果物などを輸送するため地元商人らが出資し開業した。43年に戦時特例の交通事業者合併で旧山形交通に経営が移り、74年に廃止となった。

◎一條旅舘本館など(宮城・白石)端正な外観客魅了

 開湯約600年を誇る鎌先温泉の老舗の本館は1941年に完成し、細長い谷の奥にそそり立つ。地上3階、一部地下1階で、屋根は入り母屋造りの鉄板ぶき。延べ床面積746平方メートルで客室30室を備える。宮城県内最大級の木造建築物。
 スギ材を使い、通し柱を多用。四周に廊下を配した端正な外観で、腕の立つ気仙大工が施工した。現在は宿泊客向け「個室料亭」として使われる。20代当主の一條一平さん(47)は「建築に興味のある人に客層が広がる。海外への発信にも力を入れたい」と話す。湯向棟と土蔵も登録される。


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2016年03月12日土曜日


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