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<むすび塾>南海トラフ 日頃の意思疎通大切

避難訓練を検証し、高台避難の課題を話し合う参加者
木村拓郎さん

 河北新報社が高知新聞社と共催した巡回ワークショップ「むすび塾」で、南海トラフ巨大地震の津波を想定し高台に逃げる避難訓練をした後、地元住民と震災被災者ら15人が潮江南小で課題を話し合った。

 潮江南地区は巨大地震の津波被災想定地域。避難訓練では、住民らが車いすに乗った要援護者をサポートして高台を目指した。
 車いすで急な坂を上った川上観世さん(19)は「避難経路は決めているが、車が道をふさいだら逃げられない」と指摘。父親で潮江南防災連合会事務局長の川上政寿さん(48)は「高台には広場がない。多くの人が避難できるか不安だ」と懸念を示した。
 要援護者の支援に関し、北竹島町第6町内会長の横山顕介さん(67)は「誰がどこに住んでいるかを常に把握することが重要だ」と強調した。
 訓練では離れた所にいる親子が避難所で合流できるかどうかも確認した。会社員富永栄司さん(40)は娘の潮江南小5年さらんさん(11)、1年かれんさん(6)姉妹と参加し「子どもを信じて落ち合うには日頃の意思疎通が大切だと感じた」と語った。
 同校教頭の野村ゆかりさん(59)は「子どもの避難ルートや避難場所の選択肢を増やしたい」、竹島町町内会長の寺本正夫さん(66)は「家族で避難場所を確認しておきたい」と、事前の備えを誓った。
 石巻市など宮城県沿岸部で被災した4人も参加。潮江南地区で目立つブロック塀に触れ「地震が起きれば倒れて避難の障害になる。早急に対策を取るべきだ」と注意を促した。地元住民からは「ブロック塀の危険性は気に留めていかなかった」との声が上がった。
 高知市地域防災課主事の山本美咲さん(24)は「津波対策への意識が高まっている一方、建物の耐震化やブロック塀対策は今後の課題だ」と話した。
 進行役の減災・復興支援機構(東京)の木村拓郎理事長は、多様な人々が地域防災に関わる必要性を強調。「住民や学校だけでなく地区内の事業所とも連携してほしい」と助言した。

◎避難のルート複数考えて/減災・復興支援機構理事長 木村拓郎さん

 潮江南地区のように高台への避難路が狭い場合、車での避難はあり得ない。高台を生かす対策を考えてほしい。
 子どものいる家庭では避難計画を話し合い、状況に応じて複数の選択肢を考慮してルールを決めておきたい。高齢者の持ち出し袋には、常備薬も入れておくと安心だ。
 高齢者ら要援護者の中には、逃げなくてもいいと考えている人もいる。地域のつながりを大切にして、日頃から避難を説得してほしい。地域防災を進める上では学校だけでなく地元の事業所との連携も重要だ。


2016年03月13日日曜日

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