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<震災5年>若手漁師育成 滑り出し上々

漁師の手ほどきを受けながらナマコ漁を体験する参加者ら=石巻市荻浜

 東日本大震災後、被災地の人口減少に伴い、なりわいの再生が課題になる中、宮城県石巻市水産業担い手センターが、基幹産業である水産業の就業者を育成する取り組みを始めた。同市の牡鹿半島で2月中旬、漁業に関心のある若者ら向けに短期研修を初めて開催。参加者の中には移住を決めた人がおり、早くも効果が出ている。
 研修には山形県や東京都から20〜50代の男性4人が参加。2泊3日の日程で同市桃浦地区の民宿に泊まり、カキの水揚げや殻むき、ナマコ漁などを体験した。
 漁師と夕食を共にし「大変なことは何ですか」「収入はいくらですか」などと尋ね、仕事について理解を深めた。若手漁師の体験談の紹介や、実際に移住して漁師になる過程を考えるワークショップもあった。
 山形県大江町の畜産会社勤務伊藤賢さん(24)は「漁業に憧れがあった。獲物を捕った時はうれしく、漁師が楽しそうに仕事をしていた。石巻で漁師になりたい」と話した。
 担い手センターによると、参加者のうち2人が既に石巻への移住を決めたほか、1人が移住を希望しているという。
 市の2013年の漁業者は2107人。震災前の08年から37.3%減少した。約半数が55歳以上で、高齢化も進む。市は昨年11月に担い手センターを設置し、後継者確保に乗り出した。
 事業は県内の若手漁師らでつくる一般社団法人「フィッシャーマン・ジャパン」(石巻市)に委託、県漁協石巻地区支所と筑波大が協力する。荻浜地区にシェアハウスを整備し、若者らが数カ月から数年間、漁業を学びながら生活できる環境を整える計画だ。
 石巻地区支所の小野寺賢支所長(40)は「今後も中身の濃い研修プログラムをつくり、人を呼び込んで水産業を次代につなげたい」と語る。


関連ページ: 宮城 社会 適少社会

2016年03月14日月曜日


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