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震災前後の北上川が語る教訓 写真集制作

出来上がった写真集を手に制作スタッフと談笑する茂木さん(前列左から2人目)

 東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市北上町の写真愛好家らが、震災前後の地元の姿を収めた写真集「北上川河口物語」を制作した。かつての美しい風景や津波が町を襲う決定的瞬間などを掲載。古里の自然や風土、震災の教訓を後世に残す願いを込めた。
 プロのカメラマンや地元の写真愛好家ら14人が撮影した150枚を載せた。最も古い写真は約40年前、皿貝川に架かる木橋を写した1枚。震災前に全国有数の規模を誇ったヨシ原や、砂浜で地引き網をする住民らを活写した作品が並ぶ。
 震災後は、町内の避難所や仮設住宅を捉えた写真のほか、法印神楽の演舞や新しい建物の上棟式など、復旧・復興に向かう地域の様子を収録した。
 費用は、インターネットで少額の寄付を募る「クラウドファンディング」で賄い、昨年10月から2カ月間で約200万円を集めた。
 北上町では2010年までの13年間、町おこしの一環でプロの写真家を招いた写真教室を開催。参加した地元のカメラマンらが「震災前の豊かな自然と地域の復興を一冊にまとめたい」と写真集を作った。
 写真教室の代表を務めた地元のアマチュアカメラマン茂木一郎さん(65)は「津波で仲間2人が亡くなり、多くの景色も失った。悲しい思いや被害を繰り返さないよう記録にとどめた。手に取って見てほしい」と話した。
 AB判、120ページ。3000円(税別)。石巻市や東京都内の書店のほか、市内の追分温泉や道の駅「上品の郷」などで販売する。連絡先は北上川河口物語プロジェクト事務局080(8200)0687。


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2016年03月15日火曜日


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