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<Eパーソン>紙おむつ まだ伸びる

谷本均(たにもと・ひとし)京都工芸繊維大大学院修了。83年入社。衣料用洗剤の研究開発部門、生産供給計画の管轄部門を経て12年4月から現職。57歳。香川県出身。

 輸出向け紙おむつなどの需要増を受け、花王(東京)は酒田市の酒田工場を増設、紙シート加工製品の供給拠点としての機能を高めて今秋から順次稼働させる。紙おむつの生産を開始した2014年4月以降、酒田港の国際コンテナ貨物取扱量は3倍近く伸びた。谷本均工場長に現状と展望を聞いた。(聞き手は酒田支局・亀山貴裕)

◎花王 谷本均酒田工場長

 −新工場建設が進んでいる。
 「詳細は公表していないが、鉄骨3階、延べ床面積3万平方メートル近い工場が秋に完成する。投資額は約100億円。紙おむつと蒸気温熱シートの製造ラインを入れ、順次稼働させたい」
 「13年末時点で113人だった従業員は年内に350人を超す。今春からは全国の工場に先駆けて製造職社員に女性の採用を始めた。急速に増えた社員の育成にも力を入れていきたい」

 −酒田工場で作る商品が花王全体の収益をけん引している。
 「酒田からは70を優に超える国に商品を輸出している。量は紙おむつが多い。伸び率では酒田だけで手掛けている蒸気温熱シートが勝り、今後も売り上げ増を期待できそうだ」
 「中国の景気悪化が指摘される機会が増えたが、紙おむつ自体の使用率はまだ低く、伸びる余地は十分にある。花王全体としては原材料の輸入が多いため、為替変動にも対応できる」

 −酒田に立地する長短所は。
 「庄内地域は複数の工業系高校や高専がある一方、大きな企業が比較的少なく優秀な人材を確保しやすい。1940年の工場進出から培われた技術力は確かで、特に紙シート加工の技術力の高さは、高付加価値商品を作り出す土台となっている」
 「港から約2キロという立地条件も輸出入の拠点として優れている。残念なのは国内消費地と距離があり、太平洋側の工場と比べて物流コストが掛かること。結果的に国内に3カ所ある紙おむつ工場のうち、海外向け製品の供給を多く担っている」

 −酒田港の国際コンテナ取扱量は13年の7797TEU(1TEUは20フィートコンテナ換算)に対し、15年は2万2028TEUに、定期航路は週2便から7便にそれぞれ増えた。山形県はコンテナ置き場を拡張する。
 「上海航路が開設され、酒田港に出入りする船会社も3社に増えた。いい意味でコスト、利便性の競争が働いてきた」
 「週7便といっても冬季はしけで入港が重なることもある。船舶が1隻ずつしか入港できない現状の改善とともに、荷役作業の効率化を図る施設整備、港湾機能の強化を期待したい」


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2016年03月15日火曜日


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