宮城のニュース
  • 記事を印刷

<震災5年>脱「被災者」意識 住まいで差

 東日本大震災の発生から5年が経過してなお、災害公営住宅の入居者は「『被災者』ではなくなった」との思いを抱けずにいることが、宮城県沿岸12市町の被災者を対象としたアンケートで分かった。経済的理由などで住宅の自力再建を果たせなかったことなどが要因とみられる。河北新報社と東北大災害科学国際研究所が共同で調査した。
 「自分が被災者だと意識しなくなったか」を尋ね、5段階で評定してもらった。「とてもよく当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答した人の割合を、住まいの形態別に集計した。
 脱「被災者」意識が最も高かったのは「民間賃貸住宅」の43.4%。次いで「修繕した持ち家」の41.8%、「借り上げ仮設住宅」の40.3%となった。逆に「プレハブ仮設住宅」は23.3%、「災害公営住宅」は28.3%と、脱「被災者」意識が希薄だった。
 災害研の今村文彦所長は「災害公営住宅に転居した人々は、環境の大きな変化に対応しきれていないのではないか」と分析。住まいの形態が復興へと向かう被災者の気持ちに影響していることをうかがわせる結果となった。
 生活の復興をどの程度実感しているかを探るため「今後の暮らしのめどが立っているか」「生きることに意味を感じるか」「その後の人生を変える出会いがあったか」も併せて聞いた。
 「今後の暮らしのめどが立った」との回答は全体では35.4%に達したが、災害公営住宅では25.2%にとどまった。今村所長は「高齢者の孤立をどう防ぐかが今後の重要な課題であり、地域ぐるみでのケアが必要だ」と指摘する。
 郵送、ポスティング、インターネットでことし1月下旬、宮城県沿岸の被災者に調査票を配布し、計3470人から回答を得た。性別は男性58.7%、女性41.2%。平均年齢は50.5歳。


2016年03月16日水曜日

  • 記事を印刷

先頭に戻る