秋田のニュース
  • 記事を印刷

URこっそり土地公売「規制解除、市と調整」

URと大手住宅会社の間で売買契約が交わされた秋田市御所野ニュータウンの堤台地区にある4ヘクタールの土地

 都市再生機構(UR)が昨年3月、秋田市郊外の業務用地約4ヘクタールを公売した際、市と事前調整済みとうたって住宅建築不可の規制を解除する条件を示し、大手住宅会社に約4億4600万円で売却していたことが15日、分かった。URは公募を機構ホームページ(HP)で短期間行ったのみでこの1社だけが応募し、最低譲渡価格で落札した。他の業者は公募を知らなかったとして「非常に不公平。出来レースではないか」と不透明な取引に疑念を抱いている。
 この土地は、1989年に分譲が始まった御所野ニュータウン北側の堤台地区の一角。募集要領の配布と申し込みは昨年3月12〜20日にあり、23日に最低譲渡価格の4億4665万円で落札が決まった。30日に売買契約を結んだ。
 別の大手住宅会社や地元開発業者によると、URから宅地化できるとの呼び掛けはなかった。仮にHPで公募を知っても9日間では社内決裁を得ることさえ困難という。地元支店幹部は「住宅建築も可能ならぜひ購入したかった」と憤慨する。
 堤台地区は全体が住宅エリアだが、販売が停滞したため市は2005年に都市計画法の規定に基づき地区計画を策定。商業、住居、産業系の3地区に分けてまちづくりの進展を図った。
 市の対応に問題があったことも分かった。昨年11月の都市計画審議会で規制解除の了承を得たが、売却先が決まっていた事実を委員に伝えていなかった。
 今回の4ヘクタールは商業系地区のため、住宅建築は認められていなかった。URは売買契約後の4月21日付で市に計画変更を求める文書を提出。市都市計画課によると、14年夏ごろUR側から用途変更の相談を受け、市独自の判断で検討を始めた。
 計画変更は昨年11月24日の都市計画審議会に提案され、住宅建築を禁じる項目の削除が了承された。議事録によると、倉田芳浩委員(市議)の「所有者は誰か」との質問に、市側は「現在はURです」と回答。この時点で市側は住宅会社に販売済みであることを把握していた。
 倉田委員は取材に「虚偽説明で許されない」と反発。見上万里子委員(市議)は「売却済みと聞いていたら結論は変わっていたかもしれない」と指摘する。同課は「都市計画がどうあるべきかを議論する場なので、所有者は大きな問題ではない」と釈明する。
 UR北東北統括営業事務所(盛岡市)によると、ことし3月末までに御所野地区を含む北東北3県の事業を終える方針が決まっていた。安井俊二所長は、土地売却と地区計画の変更が前後した点を「フライングしてしまった」と説明。事前調整済みとの点は「市からノーという返事がなかったので前向きに解釈した」と話す。


関連ページ: 秋田 社会

2016年03月16日水曜日

  • 記事を印刷

先頭に戻る