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女性暴行、外国人投入…除染作業員デマ拡大

車両巡回に出動する相馬市のボランティア(写真は一部加工しています)

 東京電力福島第1原発事故の影響を受ける福島県の相馬地方で、除染作業員に関するデマが収束の気配を見せない。「女性への暴行が頻発」「外国人が多数投入される」といった内容だ。背景に防犯などへの住民の不安があるとみられ、自治体などが巡回強化などに努めている。
 最も多く出回っているのが性犯罪のうわさだ。「介護を受けている高齢者も狙われた」「被害女性が自殺した」など多様なパターンがあり、真実と誤認している住民も少なくない。
 南相馬市内でリサイクル業を営む女性(67)は「女性だけの集まりなどでよく話題になる。内容が具体的なのですっかり信じていた」と驚く。
 相馬地方の刑法犯認知件数は減少傾向にあり、統計上、治安は向上している。南相馬署によると昨年、除染作業員が女性に危害を加えた事件は2件。1件はパチンコ店内で体を触った事案で、もう1件は性的な犯罪ではなかった。
 同署は「公的な相談窓口などに照会しても、悪質な性犯罪被害は確認できていない」と話す。
 現在、相馬地方には8000人超の作業員が宿舎などに暮らしている。
 昨夏には大阪で中学生の男女2人が殺害され、福島で働いていた作業員が容疑で逮捕される事件があったこともあり、潜在的な住民の不安がうわさとなって表れたとみられている。
 除染関連では「中国人作業員が1000人単位で送り込まれる」という話も流布する。環境省は「そんな計画は聞いていない」と否定するが、最近は「外国食材のスーパーが開店する」といった要素も加わって広まりつつある。
 根拠に乏しいうわさ話の拡散は、被災者の生活再建に影響を与えかねない。南相馬市内の50代男性は「娘がいるので犯罪が心配。どこに新居を構えるべきか考えてしまう」と困惑した表情を見せる。
 体感治安の向上を図ろうと、自治体も知恵を絞る。相馬市は1日、住民ボランティアによるパトロール活動をスタートさせた。児童らの下校時間に計50台の車両を走らせ、不審者などに目を光らせる計画だ。
 市の担当者は「うわさの存在は認識している。地域巡回を通し、安心感を持ってもらえるよう努めたい」と話している。


2016年03月17日木曜日

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