岩手のニュース

落札業者の提案書作成 選定委員が関与か

PFI方式で新築する子育て支援住宅の建設予定地=岩手県岩泉町岩泉

 岩手県岩泉町が昨年9月に公募したPFI(民間資金活用による社会資本整備)方式で新築する子育て支援住宅整備事業で、町の事業者選定委員だった有識者の男性が、落札した建設会社グループの提案書作成に関与していたことが17日、複数の業界関係者への取材で分かった。関係者は「審査結果に有利に働いたようだ」とみている。不適切な関与があった場合、町の選定委員委託契約が定める守秘義務違反の恐れがある。
 公募には価格審査を通過した県内3グループが参加。選定委による加点方式の審査を経て、昭栄建設(盛岡市)ほか9社で構成する「岩泉CCSグループ」が2月に落札した。
 落札価格は町の予定価格5億3557万円に対し、最も低い4億6100万円。本契約は年度内に結ばれる見通し。町によると、事業は町中心部3900平方メートルの敷地に、東日本大震災の被災者を含む子育て世代を対象とした定住促進住宅12戸を整備する。
 河北新報社が入手した落札グループの内部資料によると、有識者は昨年11月中旬ごろ、事業計画や図面、見積価格などへの助言を始めた。グループ幹部らは有識者を「先生」と呼び、提案内容をやりとりしていた。同時期に有識者に近い関係者が常駐するようになり、指示を仰ぎながら提案書を作成した。
 関係者によると、有識者は提案書に銀行の融資予約証明書を添付するよう指示。町が公表した審査結果講評によると、選定委は昭栄グループの資金調達に高評価を与えた。
 有識者の男性は取材に「町の事前説明会で全事業者にあらゆる評価ポイントを指導した。後ろ指を指されるようなことは一切無い」と話した。他の2グループの関係者は「融資予約証明書が評価点になる説明は聞いた覚えがない。審査結果を見て驚いた」と語った。
 選定委は、有識者のほか中居健一副町長と担当課長5人で構成。町の担当者は「選定委の審査は公正だったと認識している」と説明。有識者の行為が守秘義務違反に当たるかどうかに関しては「仮の話には答えられない」としている。
 昭栄建設の担当者は「有識者とは別の事業で関わりがあるが、岩泉のPFI事業は関係ない」と提案書への関与を否定した。


関連ページ: 岩手 社会

2016年03月18日金曜日

先頭に戻る