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<UR土地問題>売却先決定後に用途変更

 都市再生機構(UR)が大手住宅会社に販売した秋田市御所野堤台地区の土地4ヘクタールの公売方法が不透明だと批判が出ている問題は、18日の秋田市議会最終日に都市計画関連の条例改正案が審議される。土地の用途を時代に合わせて変えるのは当たり前だが、問題はその順序。計画が変更された場合の「停止条件付き」とはいえ、売却先決定後に都市計画が変更されたのはおかしくはないか。URと市の資料、関係者の話から経緯を検証する。(秋田総局・上田敬)

<1社だけが応札>
 同地区は1989年分譲開始の御所野ニュータウン(約380ヘクタール)の一角で、国道13号の北側約55ヘクタール。市は2005年、地域を商業系、住居系、工業系の3地区に分けた。問題の土地は商業系地区で、住宅の建築確認が下りなくなった。
 入札に参加できなかった大手住宅会社や地元不動産業者らは、都市計画変更と売却先決定の順序が逆になったことに不信感を抱く。市主導でもっと早く住宅建築可に計画変更すれば、URも広く住宅の建築を呼び掛け、多くの業者が公売に参加できた。
 UR関係者は「値段を示した後に結局売れなかったら困るので、買う意思を示してくれた企業と条件をある程度固めてから公募した」と背景を説明する。結局1社のみが応札し約4億4600万円で売却された。

<人気のブランド>
 今回の土地に魅力はあるのか。全国展開する大手住宅会社の関係者は全て宅地にする前提で電卓をたたく。4万平方メートル(4ヘクタール)のうち道路分などを引いて宅地は約2万8000平方メートル、1区画55坪(約180平方メートル)として150区画超。「造成費を乗せても土地で利益を出さなければ1区画400万円弱で売れる。十分アピールできる」と話す。
 別の大手住宅会社の関係者は御所野ニュータウンのブランドの魅力を指摘する。人気の大型ショッピングセンターに近い一方、隣のブロックなので価格はより手頃。「自社でやれば一体感のある街並みができる。しばらくはここで食べていける」と断言する。
 地元不動産業者によると、用途変更で売りやすくなる利点も。「大きな道路側は商業施設、奥は住宅に。選択肢が多いほど売れ残るリスクは減る」と話す。
当初は市も難色
 市は地区計画変更の手続きに問題はないと主張する。URから要望があったことは認めつつ、事前調整はなく住宅建築もできるように規制を解除したのは自主判断だったと繰り返す。
 UR関係者によると、計画変更を要望した際、市は当初難色を示した。「『住宅を禁止したのにまた許すのか』という感じだった。行政は以前の計画との整合性を気にするものだが、需要に応え、街の発展につなげようとした対応を褒めてあげてほしい」と話す。
 停止条件付きの売買契約締結から地区計画変更完了までは約8カ月と滞りなく進んだ。商業地として購入を検討したことがある地元業者は「業者側が市に頼んでも、ハードルが高くて計画変更はまず無理」と違和感を隠さない。
 かつて市内で大規模開発を手掛けた関係者は「まちづくりのグランドデザインが欠けていたから、こういう問題が起きた」と指摘。別の関係者は「なあなあでやって、結果オーライにしてしまえば、秋田市は本当に駄目になる」と危機感を募らせる。


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2016年03月18日金曜日


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