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<古里喪失訴訟>避難区域 地裁が被害検証

検証に向かう福島地裁の裁判官ら=17日、福島県双葉町(代表撮影)

 東京電力福島第1原発事故の避難者ら約3800人が国と東電に損害賠償などを求めた訴訟で、福島地裁は17日、双葉町などの避難区域で現地検証を行い、被害を確認した。原告側弁護士によると、原発事故関連訴訟で裁判所による避難区域の検証は初めて。地裁が原告側の要請に応じた。検証結果は証拠として扱い、今後の審理に役立てる。
 金沢秀樹裁判長ら裁判官3人が防護服を着て参加。原告側と被告の国、東電の代理人も立ち会った。
 浪江、富岡両町の居住制限区域と双葉町の帰還困難区域で、動物に荒らされた家屋や静まり返った商店街などを見て回り、原告3人の自宅で本人から直接説明を受けた。
 浪江町から避難し、福島市の仮設住宅で暮らす畜産業佐藤貞利さん(68)の牛舎も検証先の一つ。避難に伴い、肥育していた牛約150頭の大半が死亡した。佐藤さんは「無念を晴らすため、心のこもった判決を出してほしい」と訴えた。
 双葉町に住んでいた無職福田祐司さん(67)は「裁判官には被害が続いている現状を感じてもらえたと思う」と話した。
 訴訟は、原発事故で被ばくの恐れを抱きながらの生活を強いられたとして、1人当たり月5万円の慰謝料と、空間放射線量を事故前の0.04マイクロシーベルト以下に戻す原状回復を求めている。


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2016年03月18日金曜日


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