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<特例宿泊>福島・富岡5年ぶり夜間滞在

自宅の傷んだ床を改修する渡辺さん

 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県富岡町の一部で17日、夜間の自宅滞在を認める「特例宿泊」が初めて始まった。買い物など生活の便は悪いままだが、住民は5年ぶりのわが家で心を休めた。町は課題を洗い出し、帰町環境を整える。
 対象は避難指示解除準備区域と居住制限区域の計3886世帯9816人。宿泊期間は23日までで、30世帯53人が申し込んだ。
 三春町の仮設住宅から戻った渡辺博道さん(75)は、傷んだ床などのリフォームに取り掛かり、静かな街に電気のこぎりの音が響いた。風呂は使えないが、自宅でくつろげるのは格別。「この辺りの桜は、夜の森に負けないぐらいきれいなんだ。ここでゆったりと過ごしたいね」と話した。
 町は早ければ2017年4月の帰還開始を目指す。宅地除染は93%で終え、上下水道も帰還困難区域を除いてほぼ復旧した。一方で、地震や小動物の被害による家屋の荒廃、放射線への不安などから、宿泊を希望しない住民が大多数だ。
 町の担当者は「5年が経過して町外で生活拠点を確保する住民が増え、帰還意欲が低下していることも理由の一つ」とみている。
 特例宿泊は、花見時期の4月6日からと大型連休にも予定している。


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2016年03月18日金曜日


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