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<最終処分場>3候補地「事実上の白紙撤回」

宮城県主催の市町村長会議は基準を下回った廃棄物の処理などをめぐり、国の責任を問う声が相次いだ=19日、仙台市青葉区

 東京電力福島第1原発事故で発生した宮城県内の指定廃棄物の最終処分場建設問題で、村井嘉浩知事が19日の市町村長会議で建設候補地の返上も含め再検討するとしたことを受け、3候補地の首長は「事実上の白紙撤回」と歓迎した。一方、国の基準値(1キログラム当たり8000ベクレル超)を下回る廃棄物や未指定分の処理に対しては、国の責任で行うよう求める声が相次いだ。

◎基準値以下 国責任で

 「村井知事が候補地返上を受け止めたことは重い。白紙撤回だと受け止めた」。報道関係者をシャットアウトして行われた会議終了後、そろって取材に応じた佐藤勇栗原市長、猪股洋文加美町長、浅野元・大和町長は、一様にほっとした表情を見せた。
 会議の冒頭、井上信治環境副大臣は県内1カ所に最終処分場を整備する方針を変えないことを強調。佐藤市長は「環境省は市町村長会議の決定を重んじて候補地を選定した。今回の会議では返上が了承されたのだから、重く受け止めるだろう」とけん制した。
 3候補地の現地調査についても猪股町長は「知事が雪解け後の現地調査入りはいったん中止を申し入れると明言した」と説明。「環境省も処分場建設が困難で現実的な対応に変わってきた。再度別の候補地を選定する流れにはならないのではないか」と語った。
 浅野町長は「3市町が求めた候補地返上を受け止めてもらい感謝している」と述べる一方、環境省が行った放射能濃度の再測定で基準値を下回った廃棄物は一般廃棄物となり市町村が処理責任を負うことについては「国がしっかり処理してほしい」と要望した。
 県内で最多の汚染稲わらを抱える布施孝尚登米市長も「環境省の資料に『処分先の確保についても県や市町村とともに国も調整に当たる』とあるが、指定廃棄物は国の責任で処理するはずだった。調整ではなく主体的に関わるべきだし、そう要請した」とくぎを刺した。
 会議が非公開で行われたことについて、奥山恵美子仙台市長は「ある程度忌憚(きたん)のない意見が出て国に対して厳しい意見もあったが、この問題は住民への説明抜きには進まない。今後も非公開を続けるかどうかとなると、市町村から異論も出るだろう」と述べた。


2016年03月20日日曜日


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