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「断捨離」広がる出前講座 記者が体験

山崎さん(左)から片付けのアドバイスを受ける記者

 片付けのプロが依頼者宅に出向き、整理整頓のこつを伝授する。そんな出前講座が仙台圏で広がりつつある。進学や就職で新生活へ一歩を踏み出す春は、片付けの最大のチャンスとされる。今月末、異動で仙台を離れる記者が講座を受け、片付けの奥深さに迫った。(報道部・土屋聡史)

◎「必要か」手にして向き合い自問/部屋も気分もすっきり

 「理想の部屋をイメージできていますか?」「本当に必要か、ちゃんと考えてから購入していますか?」
 講座が始まって約10分。即答できない質問を次々に浴びせられた。

<使用頻度振り返る>
 講師は、片付けのアドバイスや家事代行を請け負う「コンフォートスタイル仙台店」の副店長山崎真弓さん(42)。整理収納アドバイザー1級の資格を持つエキスパートだ。
 講座は2時間。買い物の傾向や扱いに困っている物の使用頻度を振り返り、なぜ片付かないのか原因を探る。その後、物を残すか、処分するかを決める。
 物置代わりに使っていた部屋をあらためて見回した。15年前、学生時代に読みふけった雑誌「ホットドッグプレス」、一度、袖を通しただけの花柄のシャツ、高校時代に買ったパンタロン、ネット通販で買った腹筋マシン…。どれも長らく使っていない。
 山崎さんによると、片付けが苦手な人に多いのが「もったいない病」。特に東日本大震災後、死蔵していた保存食や衣類が役立った経験から、「いつか使えるかも…」と処分できない人が多いという。
 一方、不要な物を見極め、一掃する「断捨離」ブームの影響で、思い出深い品々を捨ててしまい、後悔する人も多いとか。山崎さんは「手にとってじっくりと向き合い、本当に必要か問い掛けて」と助言する。
 意を決し、本や雑誌約50冊と衣類約40着、靴5足を処分した。部屋はすっきりし、気分も晴れやかに。残された物を大切にしようとの思いが強くなった。

<指南の需要増予測>
 整理収納アドバイザーの資格認定を請け負うNPO法人「ハウスキーピング協会」(東京)などによると、同様の出前講座は2000年代初めごろ、首都圏で始まった。仙台圏では06年、コンフォートスタイル開業以降、徐々に増えている。
 130万部のベストセラー「『捨てる!』技術」の著者で片付けブームの火付け役の辰巳渚さん(消費行動研究家)は「ネット通販の普及で物が増えやすい環境にある一方、多くの人が物への執着から脱したいと願っている。『片付け指南』の需要は今後も増える」と予測する。
 プロの手を借り、あなたも物との付き合い方を抜本的に見直してみませんか。

[メモ]片付けブームは2000年刊行の「『捨てる!』技術」のヒットがきっかけで始まった。10年には「断捨離」が流行語に。昨年は極限まで物を減らして生活する「ミニマリスト」なる言葉も生まれた。出前講座の料金は地域や時間で異なるが、仙台圏は2時間2万円前後が多い。


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2016年03月21日月曜日

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