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<きずな新聞>仮設の情報源 惜しまれ終刊

仮設住宅に暮らす平塚さんに最終号の仮設きずな新聞を配る岩元さん(左)

 東日本大震災で被災した宮城県石巻市で月2回、仮設住宅に無料配布される「仮設きずな新聞」が終刊となった。震災から5年が過ぎ、資金や担い手が不足し、継続が難しくなったという。被災者から感謝と惜しむ声が相次ぎ、新聞制作や配布を支えてきたボランティアらが新たな情報紙の発行を検討している。
 被災者支援に取り組む団体「ピースボート災害ボランティアセンター」が2011年10月に創刊。A4判4ページで、約5500部を市内133カ所の仮設団地で配ってきた。
 終刊について、編集長の岩元暁子さん(33)は「助成金などの支援が年々減り、資金難と担い手不足が主な要因」と説明する。
 岩元さん自身も結婚し、東京の夫とは別居状態が続く。「歳月を経て支援者側の生活環境も変わった。仮設住宅の解消まで頑張るかどうか悩んだが、どこかで区切りが必要」と話す。
 きずな新聞には住民の活動や地域の催し、健康に関する話題など暮らしに役立つ情報を掲載。ボランティアや地域住民が一軒一軒を訪ね、直接手渡す「見守り活動」が好評だった。
 岩元さんは14日、最終号の第113号を手に石巻市鹿又の役場前団地を訪れ、住民に終刊を説明。最終号を配りながら、近況などを聞いて回った。
 平塚好夫さん(70)は同市門脇にあった自宅が津波で流失。11年10月から、同団地で妻と暮らす。「本当にありがたかった。毎回楽しみだっただけに、終わるのは寂しい」と話す。
 きずな新聞は他の支援団体にも浸透し、新聞作りに協力する人もいた。そうしたメンバーからも惜しむ声が上がる。
 岩元さんは「きずな新聞は終刊となるけれど、発行頻度を減らすなどして別の形の新聞を協力者たちと作りたい」。夏ごろの発行を目指し、新媒体の準備を進めている。


2016年03月22日火曜日

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