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<地価公示>被災地 移転需要に収束感

 【解説】国土交通省が22日に発表した公示地価は、宮城、福島の住宅地で上昇が鈍化するなど、震災に伴う移転需要の収束傾向が色濃く表れた。
 特徴的なのは地点別の上昇率。15年までは宮城県石巻市や福島県いわき市など沿岸部の地点が軒並み全国上位を占めたが、今回はいわき市の2地点にとどまった。一人勝ちと言われる仙台市も、地価上昇はJR仙台駅周辺や地下鉄東西線沿線などにとどまり、一部には高値警戒による手控えもみられる。
 もともと東北は中小企業が経済の中心。円安の恩恵も限定的で、アベノミクス効果を享受しにくい。仙台市の信用調査会社の担当者は「ここ数年、復興需要にあぐらをかいているうちに全国の景気動向に後れを取っている」と憂慮する。
 今のところ不動産、建設など震災復興によって押し上げられた景況は、製造や小売り、観光などの業種に十分波及していない。移転需要は沈静化しつつあるが、被災地には過疎、人材難、消費低迷などの厳しい現実が横たわったままだ。復興景気を地域の経済活動に連動させる効果的な取り組みが急がれる。(東京支社・門田一徳)


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2016年03月23日水曜日


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