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<北海道新幹線間近>観光好調も商業面低調

北海道新幹線開業のポスターや垂れ幕で飾られたJR仙台駅2階コンコース

◎新時代幕開け(上)仙台圏

 北海道新幹線が26日、開業する。北の大地への悲願の新幹線乗り入れで、北海道と東北は新たな時代を迎える。両地域が結び付きを強め、活発な交流関係を築くことができるか。開業直前の現状を追った。(報道部・山口達也)

 「ある程度は風が吹くと考えていたが、予想以上の数字。あまりの反応の良さに驚いている」
 阪急交通社仙台支店営業部の梶本伸也リーダーは、北海道新幹線を利用した北海道ツアーの爆発的な売れ行きに笑顔を見せる。
 同支店が1月から売り出した4、5月の北海道ツアー申し込みはこれまで計約2000人。前年同期の14倍となった。多くは函館周辺だけでなく、札幌などにも出向くツアーだ。
 4、5月の北海道ツアーは端境期で、業界として期待する時期ではなく、勝負は繁忙期の6、7月だった。「この流れでいけば、6、7月もさらに増える」と梶本氏。「仙台圏の人は首都圏など南にばかり目を向けていたが、新幹線によって北も意識するようになった」と実感する。

<学生に照準>
 東北一のマンモス私大、東北学院大(仙台市)は、新たなターゲットとして函館など道南圏からの学生獲得に力を入れ始めている。新幹線開業を視野に昨年4〜8月、函館での入試ガイダンスを計4回開催した。
 七海雅人入試部長は「人口50万近い道南地域は魅力的。仙台からの時間距離は約2時間半となり、札幌より近くなる。選択肢に入れてもらえるはず」と話す。
 北海道の同大受験者は2005年度の152人を最後に、2桁台にとどまる。ここ5年は40〜70人台で推移し、15年度は91人に増えた。
 七海氏は「少子化が年々進む中、何とか盛り返すことができた。新年度は説明会や学校訪問の回数をさらに増やし、PRしていきたい」と意気込む。

<日帰り可能>
 観光、教育分野を中心に北海道への関心が高まる一方、企業進出といった本格的な経済交流の動きは仙台圏ではまだ見えない。
 仙台市内のある不動産コンサルタントは「仙台の企業は自前の経済圏に安住し、それほど動きがない。(31年春に)札幌まで延長した際、このままでは素通りされる」と話す。
 青函連絡船など以前から交流の歴史を積み重ねてきた青函圏と異なり、仙台圏にとって北海道は近い存在ではなかった。新幹線開業後は仙台−函館間は日帰りも可能になる。
 宮城大の徳永幸之教授(交通計画)は「仙台圏は道路も含め高速交通網が整備されるたび、商業面で攻め込まれてきたが、逆の動きはあまり見られない。交流を深めるためには視野を広げ、もっと積極的になるべきだ」と訴える。


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2016年03月24日木曜日

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