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<震災5年>人口集約化基に住宅再建

鈴木三津也氏

 仙台市は、今月いっぱいで東日本大震災からの復興計画が終了する。震災直後から市の復旧・復興事業の陣頭指揮を執ってきた鈴木三津也復興事業局長に5年間の取り組みを聞いた。

◎仙台市復興事業 鈴木三津也局長に聞く

 −復興が比較的順調に進んだ。
 「被災者の生活再建の道筋を早く示し、負担を軽減するには何が最も有効かを考えた結果が防災集団移転事業だった。(移転が前提の)災害危険区域の指定に対し『現地に戻りたい』との声も聞いた。葛藤はあったが、生命以上に優先すべきものはないと判断した」
 「避難所で市の対応を非難されることもあったが、だからこそ住民との関係づくりができたと思う。住民に最も近いところでサポートできるのが基礎自治体の強みだ」

 −仙台の復興政策の特徴は。
 「もともと市中心部や地下鉄沿線に人口を集約させるコンパクトシティー構想があり、災害公営住宅の配置や集団移転先の地域選定もその方針に沿って決めた。高台移転が必要な他の被災自治体と違い、平地の水平移動で済んだ」

 −3月いっぱいで復興事業局が廃止される。
 「健康福祉や都市整備など複数の部局で役割を引き継ぐ。今後は福祉面の支援を中心に専門的な取り組みが必要になる。支援が必要な人を専門の部局が重点的にケアしていく」

 −復興は仙台の「独り勝ち」との指摘もある。
 「他の被災自治体には『仙台に人口が吸い取られている』との思いがあるかもしれない。市の人口増は悪い話ではないが、扶助費や義務的経費の増加など将来負担につながる可能性もある。本年度は28人だった職員派遣を新年度は30人に増やし、他の自治体の支援にも努める」

[メモ]仙台市の仮設住宅(プレハブ、借り上げ民間賃貸など)にはピーク時の2012年3月時点で約1万2000世帯が入居していたが、ことし1月1日時点で4340世帯まで減少。災害公営住宅は3月中に計画戸数3206戸の整備がほぼ終了する。今後は移転先での新たなコミュニティー形成や孤立防止、経済的に自立が難しい被災者の生活再建支援などが課題となる。


2016年03月24日木曜日


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