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<センバツ>釜石の義足の左腕 躍動

右脚に義足を着けてプレーする沢田投手=23日、大阪市此花区の舞洲ベースボールスタジアム

 第88回選抜高校野球大会に21世紀枠で出場し初戦を突破した釜石(岩手)で、右脚に義足を着けた左腕沢田一輝投手(新3年生)が25日の2回戦、滋賀学園戦への出場を目指して練習に励んでいる。「自分の役割を果たして勝利に貢献したい」と意気込む。
 同じ21世紀枠の小豆島(香川)を2−1で下した1回戦は縁の下で勝利に貢献。相手の主戦左腕を想定した練習で打撃投手を務めた。先制打を含む3安打の佐々木航太外野手は「左から来る球をイメージでき、球に慣れることができた」と感謝する。「チームプレーができた。でも打ったのは選手の力」と沢田投手は仲間の活躍をたたえる。
 生まれつき右脚が不自由で、2歳の時に膝から下を切断して義足に。野球を始めたのは小学5年の時。父祐一さん(45)には競技の厳しさや義足のこともあり反対されたが、「途中で辞めない」と説得し切った。
 祐一さんも釜石工高(現釜石商工高)の元球児。高校3年時に夏の岩手大会決勝で敗れ、甲子園出場を逃しているだけに「出場を喜んでくれた」という。「試合に出て成長した姿を両親に見せたい」。大舞台で恩返ししたい思いは強い。
 外野手だったが、1年の秋、投手の練習を始めた。その後一塁手を務め、再び昨秋から投手に。直球にシュートやカーブ、カットボールを織り交ぜ、打たせて取る。「同じように義足を着けてスポーツをしている方がいる。自分のプレーを見てもらうことで、考えがマイナスからプラスになってくれたら」と願う。
 佐々木偉彦監督には大会前から「起用するならワンポイント」と言われているという。滋賀学園戦に向け「対戦するならどの打者かイメージし、準備している」と沢田投手。義足の投手として注目されるが、「脚のことは考えていない。与えられた役割を全うして勝ちたい」と力強く語った。(スポーツ部・及川智子)


2016年03月24日木曜日


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