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<北海道新幹線間近>地方と地方結ぶ視点を

北海道新幹線が素通りする郡山駅。地元は今後も停車を求めていく方針だ

◎新時代幕開け(下)運用

 「せめて1本でもいいから停車してほしかった。盛り上がりも変わったはず」。福島県郡山市の関係者が言う。
 同市は仙台、福島県いわき両市に続き東北第3の人口(約33万6000)を誇る。
 磐越自動車道でいわき市、JR磐越西線で福島県会津若松市とつながる利便性を生かそうと、官民挙げて北海道新幹線の停車をJR東日本に求めてきた。
 昨夏、市や経済界が要望した際、JR東の幹部はこう弁明した。「郡山駅に停車すると新函館北斗までさらに時間がかかる」「(郡山駅から)北方面に向かう利用者は少ない」。JR東の姿勢はかたくなだった。

<短縮が目標>
 北海道新幹線は東京−新函館北斗間を最短4時間2分で結ぶ。飛行機と競合する上で目安とされる「4時間の壁」は切れなかったが、少しでも短縮することがJRの目標だった。
 昨年12月のダイヤ発表で停車駅に郡山の名前はなかった。「仙台、盛岡、新青森と沿線の県都で停車する中、福島県内は一つも停車しない。置き去りにされた気分だ」。郡山市の関係者は肩を落とす。
 JR北海道は北海道新幹線の利用者層の大半は観光目的と分析する。東京からのビジネス利用の多くは飛行機を使うと割り切り、むしろ仙台以北の観光利用にターゲットを定める。
 旅行業者と協力し、観光需要を喚起する目的で割引も含めた柔軟な価格設定に取り組む方針だ。JR北の担当者は「北海道と東北の双方で、新幹線を通して旅行し合う流れをつくりたい」と話す。
 こうしたJR北の戦略について、郡山商工会議所の鈴木秀明開発事業部長は「観光を重視するのであれば、1本だけでも停車させ、観光客を拾っていく戦略もあっていい」と提案する。

<連携を模索>
 郡山と同じ境遇の都市がある。北関東の中核都市で人口約52万の宇都宮市だ。北関東からの観光誘客を狙う函館市と協力し、相互の観光利用増という共通の目標を掲げて宇都宮駅の停車を求めてきた。だが、速達性と需要の問題で受け入れられなかった。
 宇都宮市の担当者は「ダイヤは毎年見直されている。今後も函館市と連携し、要望を続けたい」と話す。停車駅から漏れた郡山も宇都宮との連携を模索し始めた。
 弘前大大学院地域社会研究科長の北原啓司教授(都市・地域計画)は「北海道新幹線を契機に、東京からの速達性だけを求める認識を変える必要がある」と指摘する。「札幌まで伸びても東京の利用者は増えない。地方と地方がつながることを大事にした運用が求められる」と話す。


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2016年03月25日金曜日

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