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<電力自由化>越境販売 収益拡大へ一手

原田宏哉(はらだ・ひろや)早大卒。78年入社。10年取締役企画部長、11年上席執行役員東京支社長、14年副社長、15年6月から現職。60歳。山形市出身。

 家庭で使う電力の購入先を選べるようになる4月1日の電力小売り全面自由化まで、1週間を切った。東北の市場を独占してきた東北電力は、ガス、通信など他分野から参入する新電力の攻勢を受ける一方、首都圏への「越境販売」に踏み出す。本格競争時代の展望を原田宏哉社長に聞いた。(聞き手は報道部・村上浩康)

 −今月に入り、東京電力エリアでの家庭向け市場参入を発表した。
 「焦りはなかったが、4月を迎える前に具体策を打ち出そうと検討を重ねてこの時期になった。原発の運転停止が続き、送電容量の限界もあってスモールスタートになるが、首都圏には二百数十万人の東北出身者がいる。収益基盤の拡大に向けた一手として育てたい」
 「首都圏は自由化の主戦場であり、徒手空拳では臨めない。地元産品と交換できるポイントサービスなど、東北らしさを生かして挑戦する。激戦区で鍛えられ学んだことは、地元のサービスに還元できる」

 −東北でも新規参入が相次ぐ。
 「東北の家庭向け市場には、これまで23社が参入を表明した。事業規模やターゲットとする顧客層など全貌はつかめていない。一定程度の顧客流出は覚悟している。顧客に身近な存在として新たな提案を続けていく。原発再稼働や高効率火力の導入で競争力を高めていきたい」
 「目先の勝負にこだわるあまり、たたき合いの消耗戦で体力を奪われてはならない。『取られたら取り返す』と深追いせず、限界を見極め戦略立てて取り組む必要がある。省エネの提案など価格だけではないメリットを提供する」

 −自由競争時代にどう臨む。
 「まず東北6県と新潟県のお客さまに引き続き選んでいただくことが一丁目一番地。スローガン『より、そう、ちから。』には安定供給や東日本大震災からの復興、地域振興に今まで以上に関わる決意を込めた」
 「競争は自縄自縛の思考を取り払い、工夫によって成長するチャンスになる。一方で送配電インフラを担い、地域を下支えする責任の重さに変わりはない。震災以降、電力会社の公益性はむしろ増した。社会的責任を今後も果たしていく」


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2016年03月26日土曜日


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