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<Eパーソン>挑戦する老舗目指す

嘉藤明美(かとう・あけみ)東北学院大卒。サントリーなどを経て03年入社。取締役営業本部長、専務を経て3月から現職。52歳。仙台市出身。

 来年で創業70周年を迎える鐘崎(仙台市)の社長に今月、嘉藤明美氏が就任した。トップの交代は約38年ぶり。かまぼこの消費量が年々減少する中で老舗のかじ取りを任された女性社長に、経営方針や今後の展望を聞いた。(聞き手は報道部・奥山優紀)

◎鐘崎 嘉藤明美社長

 −社長交代の理由は。
 「前社長の吉田久剛会長(72)は社長として38年、専務時代を含めると約50年リーダーシップを取ってきた。次の鐘崎への歩みをさらに加速させるため、今が変わり目と判断したと受け止めている」
 「前社長が会社を引っ張ってきた分、社員は受け身がちだった。私は2011年の取締役就任後、人を育てることに注力してきた。さまざまな研修を用意し、やる気があれば最短で20代のうちに管理職になれる仕組みも作った。チーム力をつけて会社を未来に残すことを託されたと思う」

 −女性社長という点でも注目されている。
 「主婦だった12年前にパートとして入り、その後、社員になった。仕事と子育て、親の介護を同時にしていた時期もあった。個々の事情を抱えながら仕事を続ける社員への理解を育む必要性を感じた。今の仕事や社員に対するスタンスにつながっている」

 −経営で重視する点は。
 「安全安心などお客さまの視点を取り入れたものづくりを継続していくとともに、かまぼこの魅力を積極的に発信していきたい。今月、JR仙台駅のエスパル仙台東館にカウンターバーのある新しい形態の店を出した。あぶった笹かまぼことビールや宮城の地酒を味わってもらい、良さや価値を体感してもらう」

 −12年に上場を廃止したが、その影響はどうか。
 「東日本大震災をきっかけに会社の在り方を見直し、時代や社会の変化に迅速に対応するため上場を廃止した。商品を一新したり、新店舗を展開したり、さまざまなことに挑戦できている。マイナス面は感じていない」

 −老舗の看板を背負う。
 「不安もあるが期待の方が大きい。笹かまぼこという食文化を次の世代につなげることが私の目標。ライフサイクルや社会の変化に対応し、古びたり寂れたりしないものにしていくための挑戦を続けていく」


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2016年03月29日火曜日


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