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<定年退職国立大教授>紛争解決の手法探る

大渕憲一(おおぶち・けんいち)50年由利本荘市生まれ。東北大大学院文学研究科博士課程単位取得退学。文学部助教授などを経て97年から現職。日本犯罪心理学会長などを歴任。

 東北の国立大で研究や教育に携わってきた多くの教官が31日、定年を迎える。東北大大学院文学研究科の大渕憲一教授は攻撃心理の解明に努めた。弘前大大学院医学研究科の水沼英樹教授は産科医の集約化に貢献した。両氏が長年の研究や取り組みを振り返る。

◎東北大大学院文学研究科 大渕憲一教授(65)=社会心理学

 人間の攻撃心理と紛争解決の手法を探究してきた。「近隣諸国との関係も危機的な状況にある。社会的葛藤の解消は国際社会でも重要課題だ」と語る。
 欧米の「実験社会心理学」を日本に導入。対立状況における反応をゲームで検証した。人はどんなときに攻撃的になり、どうすれば対立が解消できるのか、データを集積した。
 融和の鍵は寛容性という。そのためには第三者が当事者の正当性を支持し、自尊心を回復させることが必要だと解き明かした。
 著した本は、心理学の入門書から研究手法の解説書まで三十数冊に及ぶ。「失敗しない謝り方」というビジネス書が近著だ。
 「米国では組織心理学が経営学の一分野になっている。今後は日本でも研究が進むだろう」と予想する。
 学生時代にフロイトの精神分析学に傾倒し、心理学に進んだ。学生運動の最盛期でキャンパスの封鎖や機動隊との衝突が相次いでいた。「攻撃性を研究主題にしたのは、そういう時代の影響かもしれない」
 退任後は放送大学宮城学習センター(仙台市青葉区)の所長に就き、社会人の生涯学習をサポートする。


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2016年03月29日火曜日


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