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<ディオ社問題>補助金返還 県と3市に溝

 国の緊急雇用創出事業で岩手県内7市町にコールセンターを展開した「ディオジャパン」が破産し、会計検査院から指摘された不正支出の補助金返還をめぐり、立地市町の対応が割れている。県は事業主体の市町に年度内の全額返還を求めているが、一部の市が誘致に関わった県の責任を疑問視して返還に応じていない。溝は埋まらず、収束の糸口は見えない。

 コールセンターが立地した7市町全体の返納額は約4378万円。盛岡、二戸、釜石3市と洋野町は全額返還を決めた。一関、奥州、花巻3市が年度内に返納するための予算措置を見送った。
 返還に応じない3市は、事業を進めた際の県の関与を問題視する。
 314万円の返納を迫られる一関市の勝部修市長は「誘致は県と市が共に推進した。事業計画の確認は逐一、県のチェックをお願いして進めてきた」と主張する。
 返還額が1259万円に上る奥州市の小沢昌記市長も「県の県南広域振興局の話に乗った事業。市単独での返還は市議会や市民に説明がつかない」と言い切る。

<原則論に終始>
 返還する場合、奥州、花巻両市は独自負担となる見通し。ディオ社の事業停止前、コールセンターの経営が他社に移行していた一関市は「会社側が負担するかどうか、今後協議する」(工業課)としている。
 達増拓也知事は2月の県議会特別委で、補助金不正支出の指摘を受けたことについて「申し訳なく県民におわびしたい」と謝罪し、対応の不備を認めた。
 ただ、補助金返納の在り方になると「国は実施主体だった市町が返還すべきだとしている」と原則論に終始し、県の負担を否定する。
 一関市議の一人は、返還に応じない市の対応に理解を示し「首長から県に対する異議申し立てであり、県の認識が甘い。知事が3市長に直接、説明することが必要だ」と注文を付ける。

<企業に請求可>
 返還に応じた4市町の事情もさまざまだ。盛岡市はコールセンターがディオ社側から他社に株式譲渡された。市は譲渡先企業に返還額を請求できるため、今後回収手続きに入る。市の担当者は「市の持ち出しがないため、返還のハードルは低かった」と話す。釜石市、二戸市、洋野町は全額負担を決め、予算措置を済ませた。
 達増知事は24日の定例記者会見で、返還に難色を示す3市に関し「県と市の担当部署がやりとりしている。(返還額の予算措置を)決めるのは市。何らかの説明があるだろう」と述べ、動向を見守る姿勢を崩していない。


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2016年03月30日水曜日


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