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<奇跡の一本松>ツギキ4兄弟すくすく

育種場で大切に育てられる「ツギキ4兄弟」

 岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」から接ぎ木した苗木4本が、国立研究開発法人森林総合研究所林木育種センター東北育種場(岩手県滝沢市)で順調に成長している。苗木は2020年度までに完成する高田松原の復興祈念公園などに移植される予定。育種場は東日本大震災前の松原で採れた種から600本の苗木も育てた。「復興の象徴」の命をつなぎ、内陸から松原の再生を支える。
 育種場は11年4月、一本松から採取した枝100本を接ぎ木した。約2カ月後、初めて新芽を出した4本は、13年に亡くなった漫画家やなせたかしさんが「ツギキ4兄弟」と命名。「長男」から順にノビル、タエル、イノチ、ツナグと名付けた。
 雪囲いの中の苗木は高さ約1メートルになり、移植できるまで成長した。関充利場長は「一本松と同じ遺伝子を持つ4兄弟に託したやなせさんの気持ちをくみ、古里にお返しするまで大切に育てたい」と話す。
 育種場は接ぎ木のほか、震災前の高田松原で採れた種から苗木600本を育てた。600本は陸前高田市の「高田松原を守る会」に引き渡し、復元する松原に植えるため世話が続いている。
 復興祈念公園内の高田松原は新たな防潮堤の内側約1.8キロに沿って約8ヘクタールを整備する。20年3月までに約4万本を植える計画。
 育種場から引き継いだ苗木を管理する「守る会」の小山芳弘副理事長は「一本松の遺伝子をつないでくれた育種場や、苗木の世話をするボランティアに感謝しながら、ともに松原再生を果たしたい」と語る。
 育種場が育てた苗木600本の高田松原への移植は、市民やボランティア200人を募り、17年4月に始めるという。


2016年03月31日木曜日


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