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<福島第1>凍土遮水壁を認可 凍結開始へ

 原子力規制委員会は30日、東京電力が福島第1原発の建屋への地下水流入を抑制するため設置した「凍土遮水壁」の運用計画を認可した。東電は31日に凍結を開始する予定。汚染水対策の柱とされる凍土遮水壁が、同社の想定通り効果を発揮できるかどうかが焦点となる。
 凍土壁は1〜4号機の周囲1.5キロに約1500本の凍結管を打ち込み、土壌を地下30メートルにわたって凍らせ、地下水流入を防ぐ。東電は凍結を段階的に進める計画で、敷地の海側を中心に凍結させた後、地下水の状況を確認しながら、残る山側を凍結させる。
 東電は14年6月に凍土壁の建設に着手し、ことし2月に工事を終えた。完全に凍結した場合、建屋への地下水の流入量は現状の1日約200トンから約50トンまで減ると試算している。
 ただ、凍土壁の凍結は地下水の流れを変化させ、地下水位が急に低下した場合は建屋内の水位と逆転して汚染水が流出するリスクもある。東電はこのため、全体の5%分の凍結は地下水位などを確認しながら、規制委に運用計画を追加申請する予定。凍結完了の時期は「未定」としているが、8カ月以上かかる見通し。
 規制委の田中俊一委員長は同日の定例会合で「初めてのチャレンジであり、十分なデータをとり、監視しながら進めることが重要だ」と述べた。
 東電は当初、凍土壁を地下水流入の抑制効果が大きい山側から凍結させる計画で、本年度中に凍結を完了させる予定だった。規制委側から汚染水の流出リスクを指摘され、凍結手順を見直した。建設には約345億円の国費が投じられた。

[凍土遮水壁]東京電力福島第1原発の汚染水対策の柱とされる。1〜4号機の建屋周囲約1.5キロの地中に深さ約30メートルの凍結管を約1500本埋め込んで地盤を凍結させ、建屋への地下水流入を遮断して汚染水増加を抑制する。本来はトンネル工事などで地下水を一時的にせき止める際に使われる工法。2013年5月に茂木敏充経済産業相(当時)が東電に建設を指示した。


2016年03月31日木曜日


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