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<公益通報>宮城県 部局トップが調査指揮

 勤務先の不正を労働者が行政機関などに内部告発する公益通報制度について、宮城県が従来の対応を抜本的に改め、調査体制を強化することが31日、分かった。新年度から内部告発ごとに県庁の部局長をトップとする対策会議を開き、調査から行政指導まで一貫して指揮を執る。昨秋発覚した亘理町の業務用食材卸売会社「ヒット仙台」による賞味期限偽装問題で後手に回った反省を踏まえ、全国トップレベルの手厚い体制の構築を目指す。
 ヒット社の問題では、通報を受理した県塩釜保健所岩沼支所が現場を十分確認せず、検査を中止したり、書類提出まで会社側に1カ月以上の猶予を与えたりした。通報者は「勇気ある告発が生かされず、逆に証拠隠滅や犯人捜しを招いた」と批判していた。
 迅速な調査が遅れた背景には「不正事実の究明」と「通報者の保護」の両立に悩む現場の事情がある。県は、調査方針の判断や責任を一地方機関に負わせることに限界があったと分析。所管部局トップが直接、指揮監督する方式に改める。
 内部告発があった場合、担当部局長が専門知識を持つ職員を集めて対策会議を開催。通報の受理、調査、行政処分など各段階で方針を詰め、状況を総務部長に報告する。一連の流れを総務部長がチェックできる仕組みを整え、実効性を担保する。
 2006年4月の公益通報者保護法施行から10年たつが、通報の放置や不適切な調査などずさんな実態が全国で表面化。消費者庁は他の行政機関の対応を監視する制度導入を検討中で、法改正も視野に入れる。県の対応は、国が描く改善策を一部先取りした格好だ。
 県行政管理室の小平爾室長は「運用見直しが全庁に浸透すれば、より迅速、適切に内部告発に対応できる。公益通報は不正をただす上で重要な制度。ヒット社の経験を踏まえ、体制強化に努めたい」と話した。
[賞味期限偽装問題]賞味期限ラベルを偽造した海産物を14年1月〜15年8月に約1.5トン出荷したとして、宮城県は15年10月、ヒット仙台に営業自粛を指示。偽装食品の出荷先は東北の旅館やホテル計38カ所に上る。県は同9月1日、公益通報に基づく検査を1分ほどで打ち切り、翌2日の河北新報の取材を契機に再検査に着手した。


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2016年04月01日金曜日


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