広域のニュース

認知症に囲碁療法「予防と機能低下抑制」

都内の公立小学校で放課後、一緒に囲碁を学ぶ高齢者と子どもたち

 東京都健康長寿医療センター研究所の女性医師、飯塚あいさん(28)が認知症に対する「囲碁療法」の研究に取り組んでいる。試験段階だが有望な結果が得られており、認知症の予防、改善の有効な手段として期待されている。

 飯塚さんは中学2年の時、アマチュア六段の棋力が必要な日本棋院の院生に応募し、試験碁を打って合格。高校1年まで院生だった。プロ棋士にはならなかったが、医師になってからも囲碁は続けた。囲碁と脳機能に関する研究では、囲碁を打つと、思考力、注意力、集中力を担う脳の前頭前野や空間認知能力に関係する頭頂葉が活性化することが知られている。
 飯塚さんは昨年、横浜市の有料老人ホームで認知症の疑いがある人を含む囲碁未経験者9人(平均86.7歳)を対象に、プロ棋士による囲碁の講義を受けるグループと受けないグループに分け、変化を見た。受講者は認知機能の向上がうかがえる結果が得られた。
 飯塚さんの研究グループは、囲碁を活用した高齢者と子どもの世代間交流プログラムを開発。都内の小学校で放課後、地域の高齢者と小学生にプロ棋士が囲碁を教え、囲碁の対局を通じて交流する事業を始めた。
 飯塚さんは「子どもと高齢者の会話が増え、入門用碁盤で対局ができるようになった。囲碁には認知機能低下を抑制する力があり、囲碁療法を広めていきたい」と話す。(河北新報囲碁記者 田中章)


関連ページ: 広域 社会

2016年04月02日土曜日


先頭に戻る