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幹線道迷走、整備進まず 政治判断で曲折

完工が先送りされ、通行できない沼辺足立幹線(奥)=村田町村田
整備が進まない南側の町道。計画区間の南端から町中心部を望む=村田町関場

 宮城県村田町を南北に縦貫する幹線道路の整備が進んでいない。2015年度中の開通を目指していた一部区間は工事が終わらず完工が16年度に先送りされ、別の区間は休眠状態が続く。政治判断で整備方針の曲折が続いた経緯があり、関係者からは「北も南も中途半端なままでいいのか」との声が漏れる。(田柳暁)

 工事区間は地図の通り。
 東北自動車道村田インターチェンジ入り口北側は、都市計画道路街路「沼辺足立幹線」の1期工事分として03年度に着工。3月末までに1.1キロが完成する見通しだったが、国の工事費が一部付かず、16年度に先送りされた。
 これまで投入された事業費は約17億円。ただ、開通しても北端は細い町道と接するのみ。「町道の大型車通行は到底無理」(町建設課)で、著しい利便性の向上はないとみられる。
 利便性を高めるため、その先の2本の県道と接続させる計画だが課題も多い。1級河川の荒川や仙南仙塩広域水道の水道管があって県道亘理大河原川崎線との平面交差は難しい。町関係者は「高架橋が現実的だが事業費はさらに十数億円が必要になる」とみる。東北道側にどう延ばすかは全くの白紙だ。
 町役場の南側でも1キロの工事区間が手つかずになっている。将来的に沼辺足立幹線の一部とすることを視野に1992年度に町道として整備を始めた。県道亘理村田線との接続を考えていたが、県との調整が具体化せず「宙に浮いた状態」(町議)になっている。
 背景には歴代町長が2期8年ずつで交代した政治状況がある。当初は南進整備を目指したが、町長が代わると大型商業施設の誘致計画が浮上し、北進整備に方針を転換した。
 現在の佐藤英雄町長は07年の就任時に「北進整備の凍結、南進優先」との考えを示したが、中止すると多額の補助金を国や県に返す必要があるため、建設を続けた。町幹部は「開けてしまったパンドラの箱は閉じられない」と表現する。
 整備方針の変遷を見てきた元町議は「その時々で優先順位を判断した結果だ」と理解を示すが、議長経験者は「政争の影響の最たる例。ほかの市町の住民が見たらどう思うか」と迷走ぶりを嘆く。
 町は、1期工事を終えた後の17年度に今後の整備方針を検討する考え。佐藤町長は「どう整備を進めるのが最善か、あらためて考えたい」と話す。

[沼辺足立幹線]村田町南部の沼辺地区と北部の足立地区を結ぶ約10キロの幹線道路として1951年に計画決定。東北自動車道建設に伴い、71年、73年に計画を一部変更した。


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2016年04月03日日曜日


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