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被災者と工務店仲介事業 自宅再建に効果

仙台市太白区に再建した自宅の前で話す寺島さん(左)と設計士の男性

 東日本大震災の被災者らと地域の工務店などを仲介して住宅再建を後押しする被災3県のマッチングサポート事業が、効果を見せ始めている。地元業者の強みを生かした低価格施工で、高齢者や低所得者の自宅再建の一助となっている。
 仙台市太白区の無職寺島和子さん(70)は昨年12月末、念願の自宅再建を果たした。木造平屋の外断熱工法で床面積約43平方メートル。部屋二つと台所、風呂のほか、照明やカーテンを付け、費用は800万円だった。
 施工したのは鎌田建築設計事務所(多賀城市)などでつくる復興住宅仙台東グループ。メンバーの大半は沿岸部の業者で「被災者の気持ちを酌み、価格面で各業者が少しずつ協力しあった」(鎌田建築設計)という。
 寺島さんは震災で自宅が全壊。近くの災害公営住宅4カ所に応募したが、いずれも落選し、住宅ローンも組めなかった。今回、「信じられないくらい安い金額。30年近く住み慣れた場所で再建することができ感謝している」と喜ぶ。
 サポート事業は3県の各建築士事務所協会が事務局を務める。被災者が申込書に資金の目安や希望条件などを記入し、協会の登録業者に一斉送信して対応可能な業者を募る仕組み。
 2014年に始まり、宮城で13件、岩手で3件の成約があった。福島は11件の申し込みがあったが成約には至っていない。
 3県の建築士事務所協会によると、サポート事業で提供する住宅の1坪当たりの平均価格(15年7月時点)は約56万〜59万円。70万〜80万円とされる一般的な大手メーカーに比べ、価格を大幅に抑えた。
 宮城県建築士事務所協会の松田純也専務は「自力再建を諦めた被災者にも制度を知ってもらい、一人でも多くの人が再建を果たせるよう支援したい」と話す。


2016年04月05日火曜日


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