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震災対応を再検証 岩手・大槌が防災力向上へ

 東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県大槌町が、震災対応の再検証に乗りだす。本年度は震災発生時に旧役場庁舎前に災害対策本部を置き、津波で当時の町長と職員計40人が犠牲になった町の組織としての動きを取り上げる。聞き取りや新たな物証を基に既存の検証報告書の内容を掘り下げ、災害時の初動判断や防災力の向上につなげる。
 震災検証をめぐっては昨年9月、職員が撮影した旧庁舎の被災直前の記録写真が見つかった。11月以降に本格化した旧庁舎を解体するか保存するかの議論で、議会や町民から検証の徹底が先だとの声が高まった。
 町は専任の「震災検証監」を新設する方針で、外部の有識者から人選を進める。震災発生時を知る中堅職員が震災検証主査を兼務し、チームで作業に当たる。
 検証は終了時期を定めず、テーマを来年度以降、地区別の状況や人的被害が大きかった施設、消防団の動きや避難誘導などに広げる。有識者らによる検証会議も設置し、5月に初会合を開く予定。
 震災発生時に町総務課主幹だった平野公三町長は旧庁舎で九死に一生を得た。「これまでは当時のことを忘れたい、思い出したくないという気持ちが強かったが、しっかり話さなければいけない。生き残った職員の体験を突き合わせ、全体像を明らかにする時期だ」と自ら積極的に調査に応じる意向を示す。


2016年04月05日火曜日


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