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津波全壊…殉職警官の誇り胸に新交番再建

高台に再建された大船渡署高田幹部交番

 東日本大震災で全壊した岩手県陸前高田市の大船渡署高田幹部交番が市内の高台に再建され、7日に業務を始める。室内には、被災庁舎にあった警察のシンボル「旭日章」と殉職警察官の遺影を飾る。所員は復興を後押しする決意を新たにしている。
 高田幹部交番は、壊滅した市の中心部にあった。高橋俊一所長=当時(60)=ら3人が避難誘導などに当たり、犠牲になった。署管内ではほかに、警察官3人も殉職した。
 「ここからが俺の本当の仕事だ」。津波が迫る中、高橋所長はそう言い残し、一人交番にとどまった。定年退職目前だった。
 震災直後の2011年3月末、交番は再開した。「元気出して前進だ。失敗もまた前進だ」。岩手県警察学校教官も務めた高橋所長の言葉を仮設庁舎に掲げ、仮設住宅の巡回や交通取り締まりに当たった。
 男性警部補(38)は「大変なことがあったとき、その前向きな言葉に励まされ、頑張れた」と振り返る。
 旭日章は、全国の警察施設の正面に設置されている。高田幹部交番は建物ごと津波に襲われた。旭日章は半分ほど破損したが、流されず残った。12年9月の交番解体前に取り外し、大船渡署長室に保管していた。
 交番は震災発生直前の11年2月、街頭犯罪防止で成果を上げた点が評価され、岩手県警で初めて全国の優秀交番に選ばれた。
 震災から5年が過ぎ、市内ではかさ上げ工事が進む。災害公営住宅や防潮堤の建設も本格化している。その陰で、工事現場の資材を狙った窃盗など刑法犯が増えているという。
 三島木達也所長(51)は「本庁舎になり、市民の期待は大きくなると思う。6人の誇りと使命感を引き継ぎ、治安維持の職責を果たしたい」と話す。


2016年04月07日木曜日


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