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<違法賭博>桃田選手「福島に申し訳ない」

違法カジノ店で賭博行為をした問題で記者会見する桃田選手(右)。左は涙を拭う田児選手=8日午後、東京都千代田区

 被災地福島を励ますために誓った夢が誘惑に負けて遠のき、その代償の重さに声を詰まらせた。リオデジャネイロ五輪のバドミントン男子で日本代表入りとメダル獲得が確実視されながら、違法カジノ賭博が発覚した桃田賢斗選手(21)=NTT東日本、福島・富岡高出=。東京都内で8日あった約1時間の記者会見で、何度も福島への謝罪の言葉を繰り返した。
 桃田選手は冒頭、深々と頭を下げた。「オリンピックに出ることは小さい時からの夢だったし、活躍することが福島に元気や勇気を与え、恩返しになると思っていた。軽率な行動で期待を裏切り、深く反省している」と声を振り絞った。
 中学と高校の計6年間を過ごした福島を「第二の古里」と呼ぶ。東日本大震災後、「福島ではまだ満足に生活できない人がいる。自分ももっと頑張らないと」と言い聞かせて成長。最近の世界ランキングは2位に浮上し、リオ五輪で金メダルを目標に掲げた。
 記者会見で報道陣から「賭博の際、福島のことが思い浮かばなかったか」と問われると、うつむいて黙り込んだ。十数秒後、顔を上げて答えた。
 「正直、賭博をしている時は福島の皆さんへの感謝の気持ちは思い浮かべなかった。つらい震災を経験して、またバドミントンができたのも福島の皆さんのおかげなのに。申し訳ない気持ちでいっぱいです」
 隣に座った2012年ロンドン五輪代表の田児(たご)賢一選手(26)=NTT東日本=は中学時代からの憧れである一方、自身を賭博に誘った存在でもある。
 桃田選手は「入ってはいけないところに入る好奇心があり、少し楽しんでいる自分がいた」ときっかけを説明。「自分が断っていればこんなことにならなかった」とチームの先輩をかばうような言い回しで無念さをにじませた。
 世界のトップ選手と互角に戦える自信がついた時期に、賭博から手を引いたという桃田選手。20年の東京五輪については「この先がどうなるか分からない。4年後は全く見えない」と答えた。「プロ野球巨人の選手が賭博で解雇されたと知って怖くなり、(自身の賭博は)誰にも言えなかった」とも明かした。
 2選手とも7日には茶色だった髪が、この日は黒色に。田児選手は「桃田は日本のバドミントンの宝のような選手。このような事態になって申し訳ない」と涙を拭い、「自分はどんな処分でも受ける。桃田にもう一度、チャンスを与えてください」とむせび泣いた。


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2016年04月09日土曜日


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