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新交通システム「発車」へ宮城・富谷検証

富谷町と仙台市を結ぶ幹線道路は朝夕の渋滞が慢性化している=泉区

 宮城県富谷町は本年度、仙台市地下鉄南北線泉中央駅からのアクセス改善に向け、新たな公共交通システム導入の検討を本格化させる。調査・分析を委託した専門コンサルタントが、泉中央駅−大沢−大清水−大和町吉岡の各地区を(1)地下鉄延伸(2)次世代型路面電車(LRT)導入(3)路線バス強化−のいずれかで結ぶ3案を提示。町は3案を土台にさらに検証を深め、仙台市などと慎重に協議を進める。
 コンサルは町に示した報告書で、町を含む黒川郡の発展で国道4号など幹線道路の渋滞がさらに悪化すると予測。路線バスの遅れや、仙台北部中核工業団地と仙台市内を結ぶ交通手段の乏しさを問題点に挙げ、南北の交通網強化の必要性を指摘した。
 地下鉄、LRTについては、駅候補地に交通結節点の大沢(仙台市泉区)と大清水(富谷町)を想定。その上で、3案の長所と短所を比較している。
 泉中央駅から大清水までの地下鉄延伸案は、乗り換えなしに仙台中心部まで行けるほか、道路の混雑緩和も期待される。しかし、建設・維持費は最も高いと分析した。
 泉中央−大清水−大和町吉岡を結ぶLRT案は、地下鉄延伸より経費を抑えることができ、黒川郡内の移動利便性が向上するメリットもある。一方、仙台方面へは乗り換えが必要で、道路を占有することから渋滞を引き起こす可能性も示唆した。
 新駅を設けず既存の路線バスを強化する案は、インフラ整備が不要なため最も安価な半面、道路混雑を引き起こす可能性が大きく、まちの魅力向上への影響も小さいとした。
 このうちLRTは、若生裕俊町長が昨年2月の町長選で公約に掲げた。報告書は泉中央駅−大清水間の約6キロについて、泉区将監を通って北上する路線と、県道仙台泉線と国道4号に沿って進む路線の2路線を候補に挙げた。マイカー利用者の3割が乗り換えた場合では、平日で1日約2万1000人の需要を見込む。
 若生町長は「3案を基にさらに検証を進める」と話す一方、「あくまでコンサルの提案で、決定事項ではない。仙台市など相手もある話。路線などが一人歩きすると困る」と性急な議論にくぎを刺す。
 町は2016年度一般会計当初予算に調査費200万円を盛り込んだ。今後は具体的な導入費用なども比較していく考え。


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2016年04月10日日曜日


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