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<大槌町長>復興加速の公約 掛け声倒れ?

 岩手県大槌町が東日本大震災復興計画に基づく全255事業で行った見直し作業を巡り、掛け声倒れを指摘する声が町内で高まりつつある。防災集団移転などハード整備は計画変更でさらに遅れるとして、ほぼ現行のまま継続となったためだ。昨年夏の町長選で事業の「選択と集中」による復興加速を公約に掲げて初当選した平野公三町長だが、「これ以上は遅らせない。それも加速の一部だ」(同町長)と軌道修正を余儀なくされている。
 昨年10〜11月の事業見直しでは、ハード整備の大半が既に着工し、設計変更は遅れの要因となるため計画の大幅修正を断念した。
 一方でFM臨時災害放送局の運営、関連死を含む全町民犠牲者1285人の人柄や被災状況を記録するプロジェクトなどソフト事業を中心に、廃止や終了と判定した。
 平野町長は町議会3月定例会の新年度施政方針で「踏み込み不足との見方があるのは承知しているが、職員が本来力を入れるべき業務を明確にし、復興への意思統一が図られた。意識改革ができた」と説明した。
 「間違いなく復興の加速化につながる」と主張したが、具体的な効果は見えにくいのが実情だ。町議の一人は一般質問で「町長の言っている加速と町民の考えている加速には、見解のずれがあるのではないか」と指摘した。
 平野町長は震災後に町総務部長を務めた。70代男性町民は「町の事務方トップだった経験から困難はあっても事業見直しが可能だと判断し、町長選で訴えたのではなかったのか。町民は復興が早まると期待したのに…」と疑問を口にする。
 平野町長は「まずはハード整備を遅れさせないようにすることが第一。もちろん加速に向けた努力は続ける」と強調。公約の後退を指摘する声には「町民は課題を一つずつ解決していく私の実行力に一票を投じてくれたはずだ」と理解を求めている。


2016年04月13日水曜日


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