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<楢葉町長選>帰町6% 数字の評価巡り攻防

楢葉町内の駅前に集まり、街頭演説を聞く町民=10日

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が昨年9月に解除された福島県楢葉町の町長選は、17日の投票に向け、現職と新人が舌戦を展開している。4日現在の帰町者は町民の6.4%に当たる473人。この数字の評価、解除の判断を巡り、両陣営がぶつかり合っている。
 現職で再選を目指す松本幸英氏(55)は、7日の告示後の第一声で「6%しか帰っていないと報道されるが、『しか』というのは違う」と力を込めた。
 「解除以降、住宅修繕や新築が目に見えて増えた。帰町目標は2017年春。それまでに生活環境をしっかり整える」。街頭演説では「時計の針が動き始めた」と、帰町の動きがこれから活発化すると訴える。
 一方、元副町長鈴木伸一氏(65)は「6%しか帰町していないのは、現状を受け入れない民意の表れだ」と批判する。
 告示日の第一声でも「はっきり言って、楢葉はまだ帰れる状態ではない」と指摘し「町民目線で帰れる町をつくる」と力説した。町が復興計画で掲げた17年春という帰町目標については「町民に問い掛け、どうするかを考える」と語る。
 473人という現状の捉え方は、解除時期を巡る攻防にほかならない。
 松本氏は「従来は解除後1年で打ち切りだった精神的賠償を18年3月まで確保した。解除しないと家の修繕や企業進出も進まない。全体的なバランスを考えての判断だ」と強調する。
 鈴木氏は「子どもが安心して住めない。解除で財物賠償額も減った。時期尚早で、判断を誤った」と主張し、解除を「住民の声に耳を傾けない町政の象徴だ」と位置付ける。
 いわき市と楢葉町の自宅で二重生活を送る男性(74)は「コミュニティーが崩れ、若い人も帰らない。町が元の姿に戻るのには長い年月が必要。どちらが町長になっても、離れた心を楢葉に向かせ、人を戻す努力を続けてほしい」と話す。

 ◇福島県楢葉町長選立候補者
松本幸英 55町長    無現
鈴木伸一 65元副町長  無新


2016年04月14日木曜日


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