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<楢葉町長選>5年半ぶり住民在住の選挙

福島県楢葉町内を走り、支持を呼び掛ける候補者と運動員の車列=2016年4月10日(写真は一部加工しています)

 東京電力福島第1原発事故で4年半、全住民が避難した福島県楢葉町。前回町長選が行われた2012年春は「警戒区域」で、町内は立ち入り禁止だった。町民が住む状態での本格的な選挙戦は10年10月の知事選以来、5年半ぶりだ。
 日曜の10日、2人の候補者はともに町内で選挙カーを走らせた。「休日は避難先から自宅に戻る人がいる」(ある陣営)とはいえ、人影は極めて薄い。候補者は住民を見つけると、すかさず車を降りて駆け寄り、握手を求めた。1人は駅前で街頭演説も実施した。
 帰町した男性(72)は選挙カーに手を振り「早く元の町に戻してほしい」。街頭演説に駆け付けた70代男性は「懐かしい風景。感慨深いね」と話した。
 楢葉町が避難指示解除準備区域に指定された12年8月以降、町議選や知事選、国政選挙があったが、町民は日中の立ち入りのみで宿泊できなかった。解除後、初の選挙となった昨秋の県議選は無投票で終わった。
 今回の町長選でも、両陣営は選挙事務所を町民の7割超が住むいわき市に置く。主戦場となる市内13カ所の仮設住宅では「いわき市民に迷惑は掛けられない」(両陣営)と神経を使う。楢葉は遠慮なく連呼を繰り返せる場だ。
 帰町者は473人。ポスター掲示板も町内には役場前の1カ所しかないが「わが町をおろそかにできない」と陣営幹部。前回は199票差で当落が決まっただけに「隅々まで選挙カーを走らせ、1票ずつ積み上げる」と意気込む。


2016年04月14日木曜日


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