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被災地支えたサッカークラブ「町と共に前へ」

今季初得点を喜ぶ黒田選手(左)らコバルトーレのメンバー
多くのサポーターがスタンドに駆け付け、声援を送った

 宮城県女川町を拠点とするサッカークラブ「コバルトーレ女川」が2006年4月の設立から10年を迎えた。選手らは地元の会社で働き、地域行事に積極的に参加する。東日本大震災では被災者を支援した。「サッカーで町を元気にしたい」。所属する東北社会人リーグ1部での初優勝を目指し、復興途上の港町と共に歩む。
 東北社会人リーグ1部は10チームが参戦。4月から10月にかけ、ホームアンドアウェー方式で争う。
 コバルトーレの開幕戦は10日、ホームの町民第2多目的運動場であった。猿田興業(秋田市)を相手に前半から主導権を握り、MF黒田涼太選手(25)のFKで先制。後半はMF成田星矢主将(29)らが加点し、7−0と大勝した。
 当面の目標の日本フットボールリーグ(JFL)昇格に向け、順調に滑り出した。黒田選手は詰め掛けた約600人の観衆に「応援してくださる方々がいたから勝てた」と感謝した。
 コバルトーレは06年4月に創設された。石巻市民リーグでスタートし、東北社会人リーグ2部、同1部へと昇格。選手やスタッフらは町内の清掃やお祭り、保育所でのサッカー教室などを通じ、地域に浸透した。
 町は11年3月、津波で壊滅的な被害を受けた。選手は無事だったが、クラブハウスと寮が被災し活動休止を余儀なくされた。
 「自分たちにできることがあるのではないか」。選手らは被災者への食料や水の配給、がれき撤去などに取り組んだ。12年4月、リーグ戦に復帰した。
 結成時から在籍するFW吉田圭選手(28)は神奈川県出身。「あっという間の10年だった。震災後にチームがなくなりかけたが、上のカテゴリーを目指せるチームになった」と語る。
 勤務先の町内の水産加工会社ではウニなどを扱い、配達もこなす。「女川に来た頃は町民との間に距離を感じたが、少しすると温かく接してくれた。女川を盛り上げたい」と言う。
 東松島市出身で、埼玉県から応援に駆け付ける会社員吉田浩康さん(27)は、10日の初戦もスタンドで「勝利」と書いた大きな旗を振った。母親が町内の水産加工会社に勤めていた縁で熱烈なサポーターになった。「チームが地域に根付いてきた。将来はJ1ベガルタ仙台と肩を並べてほしい」と願う。
 須田善明町長は「夢を一緒に追えることがうれしい。全力で戦い抜き、優勝してほしい」と期待する。


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2016年04月15日金曜日


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